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ときどき いたずら に
玄関テレビホンを押してゆく
おせっかいな通行人がいるもんだ
知ってか知らずか
ご老人 呆けてはいませんか
....
ころがっている
見なれたプロムナードには
錆びかけた鉄製の立て看板が
見あきたアベニューには
朽ちかけた木製のベンチが
あなたはゆかねばなら ....
いつの日にかめぐりあいたい
半生のうちで別れたひとたちと
春の朝なら花園のなかで
夏の昼間なら木漏れ日のしたで
秋のゆうべなら紅葉のしげみで
冬の夜中なら街灯のかたわらで
....
それはなぁんだ
ペガサスが颯爽とかけるかのように
天上の大奥から
青い吹き矢となって迫ってくるもの
マグマが轟々と地鳴り ....
せつないという
ことばのおもみ
それは こころのなかの
どのぶぶんに
のしかかってくるのでしょう
きっと ....
庭土が連日の梅雨で 満足げに
雑草まで育てている
庭木も梅雨の晴れ間で 満足げに
みどりの息を弾ませている
そして 生垣の隙間には
....
梅雨空が
あさぎいろに変色しはじめるのは
いいもんだ
たとえ群青色にならなくとも
散策の途次で
草いきれが臭ってくる ....
うすあかりの気配がする
長いトンネルの出口
機関車の先方に見え隠れするものが---
それは・・・
夜明けの白い漁り火なのだろうか
落日の赤いかがり火なのだろうか
真夜中の青い鬼 ....
はるは蝶とささやきあい
なつには蝉とうたいあい
あきはむしとなぐさめあい
ふゆにはみみずと遊びあい
風とは笑顔でダンスしあい
光とはすなおに握手しあい
雨とは ....