芥子色の北風が吹いて②
信天翁

     ときどき いたずら に
   玄関テレビホンを押してゆく
 おせっかいな通行人がいるもんだ
        知ってか知らずか 
   ご老人 呆けてはいませんか 
          というわけだ
  
 ゆっくり画面が消えるのを待って
おひとりさまは化石のこたつに戻る
      とらわれない「時」を
      こだわらない「空」を
       鳩胸にたたみながら
  
       (ありがたいことだ)

         


自由詩 芥子色の北風が吹いて② Copyright 信天翁 2014-12-26 19:01:54
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