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生まれては消えてゆきます片恋は炭酸水の泡の数ほど

もくもくと瞼の裏に夏の雲夕立のあと虹ふたつ

遠雷におびえる硝子風鈴の母を呼んでるかぼそき声

はてしなく走る草原夏の日の思い出は今ポッ　.... 鍋のなかに
台風が生まれた
鍋のなかに
溺れてるひとがいた
お玉ですくうと
意識をとりもどし
あわてて帰って行った
料理ができあがる頃
あなたは帰ってきた
助けてくれて
ありがとう　.... わさびが
目にしみた
とばかり
思っていたら
あなたは
ほんとうに
泣いていたのだった
このあいだのこと
ごめん
とあやまると
わさびが
目にしみただけよ
と言うあなたが
目　.... 真夏の砂浜の
パラソルの下の
ちゃぶ台に
貧乏な親子の
食卓があって
その隣には
サンオイルで
てかてかと輝く
若い女が
こうらぼしをしていて
やきすぎると
肌に悪いと思ったのか　.... にんげんたちが
ひそやかに休暇を楽しんでいた
ヌーディストビーチ
木陰から高性能カメラで撮影した写真の
投稿雑誌が創刊されてから
そこは動物園と呼ばれるようになった 自動車の後を
忘れ物が追いかけている
財布のようである
その財布の後を
忘れ物が追いかけている
免許証のようである
その免許証の後を
忘れ物が追いかけている
顔写真のようである
その　.... 仕事を終えた私はふと思い出したように
あの日の帰り道を歩いていた
道はひとまわり広くなっていた
かどのタバコ屋はコンビニになっていた
美味しかったとんかつ屋は店を閉めており
人が住んでいる気　.... まどろみの限界の中私たちは生きている
崖を踏みはずしては根っこにつかまり
そこから養分を得て私たちは生きているのだと言う

真下を見下ろせばなにもない暗闇とも言えない
だだっぴろい空間だけが　.... なつかしい
あの日の朝を
少し色褪せた
あの日の朝を
キャンバスに
あざやかに
描いたような朝
鳥の声だけが
あの日のままの
朝 仕事ばかりしていると
季節を知るどころではない

ネットで世界のすべてを
知ったような顔していても
お得意さんと話して
業界のすべてを
知ったような顔していても
僕はなにひとつ
わか　.... コーヒーとミルクを混ぜると
カフェ・オ・レになる

コーヒーだけでは味わえない
ミルクだけでも味わえない
おいしい飲み物になる

カフェ・オ・レを
コーヒーとミルクに分けるには
化学　....

ロカニクスさんの小川 葉さんおすすめリスト（11）
タイトル	投稿者	カテゴリ	Point	日付
思い出	- 小川 葉	短歌	7	07-7-27
ヒグラシ	- 小川 葉	自由詩	4	07-7-15
わさび	- 小川 葉	自由詩	6	07-7-14
パラソル	- 小川 葉	自由詩	3*	07-7-11
月刊「動物園」	- 小川 葉	自由詩	2	07-7-6
忘れ物	- 小川 葉	自由詩	4*	07-6-10
あの日の帰り道	- 小川 葉	自由詩	5	07-5-27
まどろみ	- 小川 葉	自由詩	2*	07-5-15
朝	- 小川 葉	自由詩	4	07-4-28
まぶしさ	- 小川 葉	自由詩	3*	07-4-18
カフェ・オ・レ	- 小川 葉	自由詩	3*	07-4-18

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