すべてのおすすめ
無機質で質素な部屋に
名前を消された少年が独り
寝台の上で呼吸を続けていました
硬く沁みだらけの汚れた寝台
その上に横たわっていました
窓を開ければ
前髪が怯えるように揺れ
カーテン ....
風が吹けば花弁-はな-が散る
あの人へ寄せた思いを載せて
ちらちら舞ってその名を虚空に描く
叶わないと判っていても
愛さずには要られないから
静かに内側で熱を
何て美しい散り行く光景- ....
夜になると少し怖いから
何かに食い荒らされそうで
怯えてしまうから
そっと傍に居て欲しいの
貴方が居れば
傍に居てくれたとすれば
姿のない恐怖にも
打ち勝てる気がするの
貴方の ....