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足踏みをしていたら
後ろから吹いてきた風に追いこされてしまった
きっとわたしは
まだ夏のままでいたかったのだと思う
だってまだ海にも行っていないし
夏服の気に入ったのも見つけていない ....
やせっぽっちの捨て猫だった
ミーミーないていたのでミーと名づけた
小雨が降る桜が散ったあとの公園だった
とても弱っていてミルクも飲まない
指先にミルクをひたして唇に寄せた
かたく閉じ ....
わたし、さかな
あなたの前では息もできない
それは言いすぎかもしれない
だけど夜になると
淋しさを呼吸するわたしは
誰でもない一匹のさかなになって
どこまでも
きっと、どこま ....