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光はあふれる
白亜の{ルビ建物=ビルディング}の上に
海鳥の白い翼に
青くうねる海原に
光はあふれる

光は波打つ
どこまでも続く青い穂波に
涼やかに流れる川面に
青い空と風の中に
 ....
{引用=薔薇よ薔薇
私の体を養分に美しい花を咲かせておくれ}

あの人は行ってしまった
私の手の届かないところへ

ひとり取り残された私は希望さえ失くしてしまった
絶望という名の牢獄に囚 ....
チューリップに親指姫が眠ってる起こさないでね春はいじわる

さくらさくらいつか鬼になる日まで散りしきる花に打たれていよう

悲しみはヒヤシンスの深い青君との別れを涙に染める

うっすらと白 ....
春はたまごの眠り
たまごの中でまどろみながら
イースターエッグの夢を見ている

{ルビ復活祭=イースター}の朝が来たら
ウサギが隠したたまごを
子どもたちが探しに行くよ

春になったら ....
青い空を白い雲が流れて行く
さらさらと水の流れる音がする

地上から隔絶された空の楽園
ここには僕以外誰もいない
静寂と孤独だけが僕の友達

ささやかに続く平穏な日々に満足していた
あ ....
   Ⅰ

ちらちらと粉雪が舞うなか
高らかにラッパの音が鳴り響く
あれは祝福の合図か
それとも最後の審判への警告か

澄んだ空に鳴り響く清らかな音に
私は身も心も洗われて行くような気 ....
私の街には雪は積もらない
降ってもすぐに溶けて消えてしまうの
私の願いはたったひとつ
一度でいいから一面の雪景色を見てみたい

朝起きて窓を開けたら
世界は白一色に覆われているの
隣の屋 ....
二人して並んで座る公園のベンチに印す秋の秘め事

お手紙にほのかに香るスミレの{ルビ香=か}可愛い人とからかっちゃ嫌

セーラーの襟にはらりと舞い落ちた紅の使者秋を運んで

お揃いのリボン ....
友達と遊んで別れてひとりきり
空はとっぷりと日が暮れて
すっかり遅くなった帰り道

お家に帰りたくないよう
きっとお{ルビ継母=かあ}さんに叱られる
きっとお{ルビ継母=かあ}さんは怒って ....
夕暮れには不思議な魔力があって
どういうわけかふいに門が開かれて
僕の王国に淋しい旅人を連れて来るんだ

旅人はしばらくは荘厳な夕日に見惚れているが
我に返ると皆決まって故郷に帰りたがる
 ....
夏の風が呼んでいる
遙かなる草原の向こうで
草原の緑のさざめきは
どこへ導こうとしているのか

誘われるままに
草原をずんずん進んで行くと
やがて目も覚めるような黄金郷
神殿に祈りを捧 ....
青い波間に漂う
コバルト・ブルーのきらめき
画用紙に彩られた海は今でも
烈日を待ち焦がれている

*

雨の日は部屋の中でひとりきり
孤独を思う存分楽しもう
外国の歌手が歌う
レコ ....
窓辺に頬杖ついてひとりぼっちの夜に
どこからか漂う甘い誘惑
私の胸はざわめいて夜を彷徨い始める
忘れていたせつない愛が今宵蘇る

白い花に抱かれながら
失くした愛を嘆き続けるわ
あんなに ....
僕の頭の上では
さやさやと木々のささやく声
風はやさしく髪を撫でて行き
時折聞こえる鳥のさえずりに
僕の夢は{ルビ現=うつつ}をさまよう

僕はいつもここで夢を見ている
心地良い木の肌の ....
呼んでいるのは誰?
ロマンスの予感に震えては
言葉にできない思いに
微妙に心は揺れ続けている

*

よーいどん!
ロケットみたいに飛び出そう
幸運は思いがけずやって来る
ビリケン ....
乾いた大地に
夏の厳しい日差し
しおれてしまった花に
水をひとしずく下さい

*

空っぽになった部屋で
なくした希望を探す
仕方がないと言いながら
耳障りなため息を吐く

* ....
僕はまだひとりぼっちを探してる夕暮れ帰る道の途中で

一番星ジャングルジムのてっぺんで見上げた空はなんて大きい

懐かしいあの日のメロディくちずさむ二人の影が夕日に揺れて

黄昏はいつでも ....
{引用=ひとりでは淋しすぎていられない
震えて眠る私はうさぎ}

抱いて欲しいって言えたらいいのに
もわもわの毛皮をまとっていても
寒くて寒くて震えてる


{引用=耳を立て周りの音を ....
重い荷物を背負って
物憂い坂を上る
一番好きな歌を
でたらめに歌いながら

*

押入れの中には
持て余した夢の残骸
潔く捨ててしまえ
できそこないのガラクタなんか

*

 ....
私が死んだらどうか
庭には一面青い花を植えてほしい

春にはシラーとアリウムが
夏にはマツムシソウとラベンダーが
秋にはクジャクソウとリンドウが
冬にはミスミソウとヒヤシンスが
それぞれ ....
わたしのなかのうたが戻って来ないので
別の誰かのうたを飼うことにした
今はやりの詩人のうただ

アンティークの鳥籠の中で
はやりのうたは
毎日ひとつずつ違ううたを歌ってくれる

人を愛 ....
哀しみという名の街で
二人 出会ったの
涙雨の降る街角
空も泣いていた午後

さびしがりやの恋人たち
ガラス細工の傘をさして
色褪せた通りを歩いていたの

心の傷跡なぞるように
冷 ....
ようやく僕の窓にも光が差して来て
暖かな日差しを感じるようになって来た
めいっぱい窓を全開にすれば
この病んだ部屋にも新鮮な空気が入って来て
まるで心が洗われるよう

しばらく窓辺で風に吹 ....
「牡羊座」

恋したら猪突猛進どこまでもちょっと待ったは無しの恋なの

「牡牛座」

石橋を叩いて渡るこの恋をゆっくりそっと見守っていて

「双子座」

あの人も好きだけどこの人も ....
星が流れる夜明け前
二人は無口になって
遥かな水平線みつめてた
流星尾を引いて空を行く
永遠を信じてここまで来たけれど
夜明けのファンタジア
教えておくれ
二人の夜はいつ明ける

海 ....
{引用=走って
走って
狼に追いつかれないように

走って
走って
森の奥へ奥へと

走って
走って
走って!}

「森の奥へは決して行っちゃいけないよ
 おまえのような若い ....
道を歩いていたら
言葉が落ちていたので
拾いながら歩く

拾った言葉を並べてみたら
詩のようなものができたので
額縁に入れて飾っておく

紅葉が一枚
はらりと落ちて
そこからまた言 ....
ビルの向こう沈む夕日を見送ってまた来る夜に足を踏み出す

夕暮れに金木犀の匂いたちやさしい{ルビ時間=とき}をしばし楽しむ

つかの間の光の中でかいま見た妖精の翅どこへ消えたの?

かくれ ....
私がふたごだったとき
ずっと森で暮らしてた
ふたりおそろいの服を着て
毎晩同じベッドで夢を貪りあった
ふたり一緒にいること
それが当たり前の世界だった

私がふたごだったとき
世界はひ ....
あなたがそばにいるだけで
まわりが海に変わる
ほんの少しだけ夜のような
ほんの少しだけミステリアスな海
このまま小さな魚になって
あなたのまわりを漂っていたい


あなたは私の梢を揺ら ....
北大路京介さんの未有花さんおすすめリスト(152)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- 未有花自由詩23*12-6-4
いばら姫- 未有花自由詩13*12-5-7
Flowers_〜春〜- 未有花短歌13*12-4-2
春はたまごの眠り- 未有花自由詩18+*12-3-2
空中庭園- 未有花自由詩17*12-2-3
天使- 未有花自由詩19*12-1-5
スノードームに願いを- 未有花自由詩13*11-12-5
秋の秘め事- 未有花短歌9*11-11-2
彼岸花- 未有花自由詩20*11-10-3
夕暮れ王国- 未有花自由詩23*11-9-2
草原- 未有花自由詩12*11-8-3
憧れ- 未有花自由詩17*11-7-8
ナイトジャスミン- 未有花自由詩10*11-6-7
緑の夢- 未有花自由詩11*11-5-6
喜び- 未有花自由詩9*11-4-5
悲しみ- 未有花自由詩23*11-3-3
黄昏遊戯Ⅲ- 未有花短歌9*11-2-3
私はうさぎ- 未有花自由詩12*11-1-5
思い出- 未有花自由詩14*10-12-7
ブルーガーデン- 未有花自由詩20*10-10-5
うたを飼う- 未有花自由詩11*10-8-4
哀しみという名の街で- 未有花自由詩10*10-6-3
五月の窓- 未有花自由詩14*10-5-6
恋占い- 未有花短歌16*10-2-2
夜明けのファンタジア- 未有花自由詩14*10-1-5
森へ_〜私が狼になった日〜- 未有花自由詩14*09-11-10
秋は詩人- 未有花自由詩27*09-10-14
黄昏遊戯Ⅱ- 未有花短歌10*09-9-28
私がふたごだったとき- 未有花自由詩24*09-9-3
イマジネーション- 未有花自由詩25*09-2-17

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