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シャープペンが紙を滑る音で
断ち切られる記憶が鼓動になる
遠い日、焦がれた痛みを愛しく思い

  あなたの体は柔らかいという方法
  私の融点を
  花の名前を当てるように
  ほほえみ ....
  信じて強くなると
  君は榴花色の口紅で
  グラスの縁を彩って
  それは渡航への朱印
  暗く激しい海流を渡っていく
  見知らぬ海鳥の呼ぶこえ

さきほどから
波のこえが聞こ ....
ささやかな我が家は
海風を松林がさえぎる
小さなキャンプ場に
僕と君の子供の手で建てた

細引きはしっかり引っ張ってとか
ペグは斜めに打ち込んでとか
入り口の向きの決め方とか
寝心地の ....
体温は
ひとつになるアルビレオ
今日からは
遠心力で結ばれる

意志が
それを果てるまでと誓うだろう
ある時は照らされる者の影であり
そしてお互いだけが
救える日々の

満ち ....
誰にもわからないまま
どこか遠い場所で
ほどけていく

支点を定めると
不安定になるので
そのまま

確かでないものは
確かなものより
永遠に近いので

ひとつになりたいという ....
はじめて
こころのなかに
さいた
たんぽぽのはな

かぜにからだを
ばらまいて
ぶんしのように
げんしのように
そりゅうしのように

たびにでるたび
 ....
夜が季節の名前ならば
今夜は惜春
雷雨が迫る黒雲
まだらに明るい空を映して
海が水銀のように揺れる
指先の温度が融点の
あなたという液体
わたしという液体

いつまでも
満たさ ....
誰にもおそわらないのに
赤を「あか」と感じたり
風を「かぜ」と感じたり

誰も教えてくれないことが多すぎる
生まれてきたのだ、ということも
きっとそうだ

記憶を移しただけで
生まれ ....
{ルビ劔箭=つるぎや}神社からの
細い参道の坂道が好きだった
不思議な人体図がかけられた漢方薬局
古ぼけた占いの館
必ず救われる新興宗教の教会
日本で3番目に大きいという大仏
確かめようの ....
臆病者だけが
乾いている
磁石のにおいの
ひどい穴ぐら
窓の外では
アスファルトが
黒曜石に濡らされている

  仕切の向こうの笑い声が
  うるさくてちょうどいい
  そんな時刻 ....
ぬくもりだけを信じると
深呼吸できない、抱擁
信じて強くなれる
糸電話の決意

遠くでも近くでもない場所から
わざと小声でささやく
から、やさしい距離
保ち続けて

メールのない夜 ....
写真では思い出せる
ものがたりは忘れてしまった
楽しかったことの記憶だけ
振り返ることもなく

通過電車のあとを追う
錆びた風であれば
印画紙を風の色に染めて
完成する思い出

岩 ....
ひとりぼっちに
ならないように
鳴くことをおぼえた
あの日

どこまでも届けと
生まれてくる、こえ
書き付けられた
記憶ではなく
いま、あふれだす、こえ

ことばは、忘れないため ....
夜の街で闇をさがし
身を隠す暗がりにも
灯りを求めたりして
中途半端なままだね
いつもぼくらは

   言葉の空白にふるえて
   粋な単語たちをあつめ
   草の実に糸を通すようにつ ....
ときめかせて
はなびらを解き放ち
冬別れの樹、予感
北風までもが人肌の温度
その飛ばす先の青空
気まぐれな季節は
いつも、ふいに帰ってくる

季節のない海の深みに
還っていくその前に ....
合理的で清潔で、迷いがない

自由で無責任で、自己責任で排他的で恣意的で、有限で
科学的で哲学的で、宗教的な世界が私に指し示した絵画
時間は正確で、太陽の動きとは関係が無く、季節は曖昧

 ....
{注GEKKO=白黒写真印画紙「月光」}に浮かび上がる
曖昧な輝度信号
ほしおり はすぐそこに迫っていた
切り取られた夜空を
暗室の赤い光に積もらせ
あまりにも遠すぎて
おぼえきれない思い ....
走ることは
ほんのすこし
歩くより早いだけで
大地に触れる回数は
結局少なくなってしまう
走るということは
触れないということか

月はやっぱり見えなくなる

世界から消えようとす ....
呆然としているだけで流れていくものを時と呼ぶな。わたしたちの
いちばん大きな乗り物は、生まれてきたときの速度を保とうとして
いるだけで、あなたの生き方とは関係がない。冒険せよ勇気を持っ
て自らの ....
手すりのない屋上で
そらをとりもどす、わたしがいる
{ルビ限界線=ちへい}に浮かぶ遠い筋雲の
気流の音に耳をすます
わたしがいる
まぶたの裏に
真昼の月を新月と焼き付け
まぼろしではない ....
そんな目でみるなよ

おいしく食べるからさ
こんなにも明るい空
なのに、とどかない

貼り付けの咎人なら
執行される二本の槍

私の枷を知っている
私の枷は知っている
終わる、と
ただ巡っていくだけのものに
あきらめにも似た終止符を
打ち続けて僕の数直線は
みっともない
姿をさらして

   次の巡りを待てないほど急いで
   どこに辿り着けた

 ....
洋光台から各駅停車の二両目に乗って
寝不足な頭は
昨夜の反省をする朝、七時十六分
このまま終着まで眠りたい

飲みなれない酒を勧めたせいか
君はとっても不機嫌で
なのに君のほんとうを見た ....
自分の名前を
忘れてしまいそうになる
遠いとおい旅路なのです
だけれども
決して忘れない
名前もあるのです

あの月と星をいただく塔の上で
そらに吸い込まれる
ただひとつの呼び名のよ ....
眠りに落ちると
いつもそこは凍夜
誰にもじゃまされず
暗闇を独り占めする

   外ではひどく激しい気流
   雲で空に恨み言を描き付けて

あのころって、いつだ?
わたしたちって、 ....
虹が遠いね

暗がりのなかからは

遠すぎるね
ちょっと長めの旅行を終えて
ベランダに出てみると
大切な鉢植えのミカンの葉が
全部無くなって
大きなさなぎがぶら下がっていたのです

街ではもう、見かけることも少なくなった
アゲハチョウ ....
あたたかな深い世界と
冷たく閉ざされた陸地の
あいだにおかれたからそれは
あなたに触れたときの私の肌
のように、あしもとでざわめく
むねのどこかで
小さなちいさな六分儀が
あやふやに極星 ....
北大路京介さんのたりぽん(大理 奔)さんおすすめリスト(89)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
しおりの_わけ- たりぽん ...自由詩16*07-6-4
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キャンプ場の我が家で帰りを待つ- たりぽん ...自由詩13*07-5-30
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指先プラネタリウム- たりぽん ...自由詩1207-5-25
飛翔する種___(Ver.2007)- たりぽん ...自由詩12*07-5-19
メルティング・ポイント- たりぽん ...自由詩14*07-5-19
名はない、それでいい- たりぽん ...自由詩10*07-5-16
駅・石切- たりぽん ...自由詩13*07-5-10
雨を許すと濡れてしまう- たりぽん ...自由詩1907-4-25
月への糸電話- たりぽん ...自由詩1107-4-19
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ひとりぼっちに、ならないように- たりぽん ...自由詩16*07-4-4
夜のかたちのピッテロビアンコ- たりぽん ...自由詩12*07-4-1
季節にとかして- たりぽん ...自由詩18*07-3-30
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ほしおりの、そのときに- たりぽん ...自由詩12*07-2-28
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ぬりかべ_まん- たりぽん ...携帯写真+ ...14*07-1-8
囚われの冬空に- たりぽん ...携帯写真+ ...807-1-2
巡礼、あなたの髪の- たりぽん ...自由詩13*06-12-26
駅・新橋- たりぽん ...自由詩12*06-12-19
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あげはちょう- たりぽん ...自由詩18*06-11-25
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