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世界の色に 少し気付けるようになった頃
夕立が止みはじめている
負けじと鳴いていた蝉時雨が 世界の全てだったとき
君は僕のバイトの帰りに合わせて 電話をしてきた
君は君に今日あった ....
コンビニで漫画を買うことは
つまりは
すでに誰かに使われたコインを廻すことと同じではなく
テーブルが拭かれることの無い食堂と同じである
コンビニでバイトをしている僕と
テーブルを拭くこと ....
抽象的では、何もわからないと
君の声を、聞いたから
具体的ってなんだよ
と、僕の声を、飛ばしてみた
なべに水を入れて火にかける
なべの内側には、小さな泡がまとわり ....
ほうきを四角い床の
ひとつひとつに這わせて
角のゴミはどーして
掃いても掃いてもでてくるんだろうと
いつまでも、掃いていたら
「よう、後輩、なにを、
そんなに真剣にほじくりかえしてる ....
彼は、空の絵を描いていた
空気の色を、探していた
捕まえようと、筆を振り回したりしながら
まだ、筆先は、毛の色のままだった
彼は、いつまでも、空の絵を描いていた
失った恋人が、空にいると ....
ある日の朝、僕は朝を見れなかった
その日、夕日が
毒々しい赤をひらひらと空に切り貼りして
とてもイチゴジャムだった
あの晴れの青を煮詰めてできた
ブルーベリーの闇に、
....