初めはわずかな風でした
やさしい風は
そっと教えてくれました
春はそこに来ています
いつもとはどこか違う風でした
やわらかい風は
ふっと通り過ぎてゆきました
春はもう来ています
....
朝起きると武士だった
(拙者、もうしばらく眠るでござる
と、布団を被ったが
あっさり古女房に引き剥がされた
長葱を{ルビ購=あがな}ってこいという
女房殿はいつからあんなに強くなったのだろう ....
何も恐くはないさ 何も感じなくてもいい
僕の注ぐ愛も 君を傷つける言葉も・・・
ただ・・・君をすべてから守りたい
ぁあ・・・狂うことの無い 愛を
ぁあ・・・狂うことの無い 時を ....
バイト先に君臨する
みんなが女王と呼ぶあのお方
いつも凛として
一喝一瞥で皆震えあがり
誰も決して逆らえない
でも私は知ってるの
彼女が?クチュン?って
可愛いくしゃみを ....
冬だね
ほんと
もう公園の木
裸だね
寒そうに
ねえ
踊ろう
でもまだ
カーテン
つけてないんだね
外の人々から
どう見える
だろうね
幸せな
風景か ....
ひとはそれぞれモノサシを持っていると思う。
それは時にいろいろなものを指すが、今ここで言いたいのは「常識」の類のモノサシのことである。
正直な話わたしは、大学に入るまで自分と明らかに違うモ ....
あたりは
もうすっかり 日が暮れて
さっきよりも一層
夜の黒さが炙り出されてきた
カウンターに置いてある
さっきまで温かかったウインナーコーヒーは
白のホイップだけを僕に食べられ
....
窓の向こうは朝もやけ
カップに落とした角砂糖は
角をやさしい珈琲に触れられて
いつしか 離れられない関係になった
冷えたガラスに頬を寄せて
耳をそっと澄ましたのなら
カップ ....
こないだおれの足あとに
中2のときのクラスメイトがいたんです
宿題の貸し借りはできたけど
遊びに誘うわけじゃない
事務的な話をした程度の
かなり微妙な関係
「マイミク申請って 事務的な手続 ....
今の生活から逃げたくて
花になりたいと
思った日はいくつあっただろう
それでも人として生まれたのだから
自分のどこかに
きっと
花があるにちがいない
一日中ずっと部屋にいて
星にな ....
動かして 動かして
痛んでるときに
さらに動かすと
成長 するという
まるで
君への想いみたい
鼓動が速くて 痛いほど速くて
気づけば
もっと君が好き
あの娘を抱きしめたとき 君の肩幅と比べてた
やっぱり
君は細かった 君の頭は小さかった
見上げる顔が可愛いかった 胸元に響く声が切なかった
悲しいこと 多すぎて ....
いつだって君はそうなんだ
本当は塩ラーメンが食べたいくせに
なんでもいいよと答えてみせる
そのくせ
味噌ラーメンを食べたあと
必ずこう言うんだ
塩ラーメンが食べたかったのに
アイ ....
カーテンの裏に潜んだ結露を
指でなぞると
するすると雫は流れ落ちて
行き場のない小さな水溜まりは
冬の外気と人の温みのあいだで戸惑っている
わたしはうっすらと冷えた指先を持て余しながら
....
あめのなかに
ゆきのまじる
ぶーげんびりあの
かねのねの
音のあまつぶ
しらゆきまじる
むすめはやらない
むすめはやらない
{引用=三つで病に
五つで迷子 ....
夢よりも一歩、現実に近かったから
振り返ることはたやすかったはずなのに
もうお風呂にはいった?
という彼の、決して難しくもない問いに
眠りに引き込まれるにまかせて
わたし、答 ....
キスではかれる感情なんて
たかが知れてるけど
もっとあなたの事知りたいから
とびっきりの笑顔で
オネダリスルノ
?ねぇ ちゅ〜して??
計画性のない女です
いつだって、叶うはずもない夢物語と
現実と妄想の区別がつかなくなっていて
将来性を口から出るままに誤魔化していたりして
目で見ていることも、今きみが言った言葉も未来なん ....
僕が握っている
ボールペンの
インクの中に
君が詰まっていたらいいのに
朝ごはん食べる
フルーツヨーグルトの
フルーツといっしょに
君が混ざっていたらいいのに
にゃんが時々つか ....
あなたの隣で
あなたが想うヒトの事を想ってみた
あなたは彼女の
どこに惹かれたんだろうか
思いつくところがたくさんあって
また少し悲しくなった
手を伸ばせば
....
天井から降りてくる輝きは
いささか砂糖のように
甘くまろやかというべきか
幾重もの光と
何層にも重なり合い
反射し
刻を遅らせる魔法を僕にかけ
静寂の中に たおやかで
かつ 控えめ ....
人は空を飛べない
けれども
人は空を見て夢を描ける
飛べなくても
しっかりと地面に踏ん張ればよい
人は宇宙を泳げない
けれども
人は頭の中で宇宙を創れる
泳げなくても
{ルビ颯爽 ....
春めくのか夜になると
もぞもぞするもの
それは
あなたのつくしんぼう
今夜のわたしは疲れているのに
背中を向けた闇のなかで
何かを探し蠢いている
辛抱が足らないから
貧乏なのか
芯棒 ....
ホンのちょっぴりの覗き穴から
凝縮された時間が入り込み
反転した世界が焼きつく
現像するまでは分からない
幻想の世界は
リアルな世界を少しだけ
歪めてみせたりする
....
冬の雨が上がって
しっとりと潤った空気に
小さな蕾が目覚め始める
春と呼ぶにはあまりに早く
陽射が弱々しく届いて
蕾の外側だけがほんのり白く染まる
冷酷な北風には
他愛もない出来 ....
にぎってみな
ほら
もうだめだろ
そのタマネギ
切ったら泣くぜ
ぜったい泣くぜ
半分ぐらい
腐ってたって
ぜったい泣くから
まあ座って
二人で剥こう
そうして
....
何故だろう
生まれ落ちた言葉のひとつも
君に伝えられない
やさしく降りそそぐ
木漏れ日に
いまは心を委ねたい
目を覚まして
君がそばに居てくれたら
最高
....
あなたが僕にそうやって問いかけるたびに
何もことばを伝えられずに
僕はただただ繰り返すのです
あたしのスカートの
端っこを切ったのは あなたでしょう?
羽をばたばたさせて 空に浮かぶ
髪が伸びたので あたしは飛べるようになった
まっさらな夜を
あなたの匂いをたよりに飛んで
....
こころをとうめいにすかして
ちいさなナイフをつきたてて
雪の結晶を食むようにして
くちづけようか
ここはとてもさむくていいところだね
きみの睫毛も凍っていて
とても可愛らしい
....
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