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流星群のようなどしゃぶりの下
みるく色の傘のおんなと
革靴を濡らして駆け寄るおとこを
われらはまるで永遠のように見た
角帽風情のあおがらすが{ルビ鴉々=ああ}と鳴き
きむすめの紗はちりぢりとやぶかれる
最近の牛は 肉と鉄を喰ろうて
草とビニルも嗅ぎわけられない
それも
{ルビ反芻=はんすう}ばかりで 飲込まないから
土が肥えず おくびで花も枯れた
その昔も昔には
あの白く大きな花の
ほっこりと黄色い{ルビ花芯=かしん}には
ひとつにひとりの乙女が生まれ
若者たちはその花乙女らを嫁にせんと
競って{ルビ夏藤=なつふじ ....
妄想は猫が食らひて
たうたう肥えはじめた