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うなじから首から目から羽を吹き血を吹きながら辿る足跡
蜘蛛は蜘蛛何も残さず何も見ず虫を喰みただ夏に凍える
ふところの火を手に結び手をひらき何も無い日をかき分 ....
霧と緑と
夜に立つ巨樹
空と地を埋め
ひとり高く
低い曇の下
平原を
草より低い影がくぐり
最初の雨を引き寄せている
夕暮れのかけら
まとわりつく糸
....
訪れるもののない中庭に
光が射しては揺れる草
縄で書かれた文字の上
固く転がる鳥たちの声
香りの白さに照らされて
夜が隅々まで見えるのに
それでも窓を閉じてしまう
見えな ....
姫 姫 脂
水面の虹
蜘蛛の背の地図
こがねの手足
水紋の下から
空を視る目に
光は廻る
光は跳ねる
夜に満ちる緑の泡が
ひとつひとつ星になる ....
街の廃墟に
ネオンだけが点いていた
残された無数の足跡に
波があふれ 消えていった
人々は荒れ地を進んでいた
空を覆う霧には
ここで終わる
と書かれていた
....