秋の気持ち
ただのみきや


秋とは肩を寄せ合い歩きたい

約束なしで出会っては

流れの渦に留まり続ける

紅葉とイチョウの落ち葉のように

ゆっくりと語り合いたいものだ

何一つ声に出すこともなく

公園のベンチで寄り添いながら

燃え落ちて行く一日に微笑みかけよう


冷ややかな斜陽に染まりながら

孤独というマフラーを巻いて はらはらと

悲しみを落として行く人のため

澄み切った夜に凍えては 星々を

見上げている枯れあざみのような人のため

迷子になった思い出たちの葬列のために


練炭一つほどのやさしさ

伝える術を巡らしながら


自由詩 秋の気持ち Copyright ただのみきや 2012-09-23 00:52:49
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