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某国営放送で観たイカ釣り漁のようす
脱サラして漁師になった夫を
影に日向に支える妻のけなげな姿
あれって夫婦舟っていうのかな
なんだか憧れてしまう、わたしがいる
確か奥さんの実家は代々の漁師 ....
秋が訪れれば またひとつ
目じりに刻まれる年輪のようなもの
早いもので開け放した窓の外では
秋の虫たちが鳴き始めている
この様に季節が巡るのであれば
歳を重ねてしまうのも致し方無い事
抗っ ....
わたしが遅めの初潮を迎えたとき
母がお祝いにとお赤飯を炊いてくれた
(今の子もそんなお祝いしてもらうのかな
膨らみ始めた胸の先が痛かったりして
ちょっとだけ…おとなになった気がした
それから ....
わたしが生まれ育った郷里では
要らぬものを裏山に投げた
村外れを流れる川に流した
囀る野鳥の気配に誘われて
ひとり裏山を彷徨えば
要らぬものは朽ちて土となり
夕餉の支度でも始めたのか
潜 ....
額の汗を無造作に拭うあいつより
きれいに畳んだハンカチで汗を拭う
そんな男のひとに憧れてしまう
えっと…そんなひとなら
細い指先に挟んだボールペンを
くるくる器用に回したりして
わたしのこ ....
きれいに消し去って欲しい
あなたの腕で
わたし自身では消せなかった
こころのなかに棲みついたもの
胸騒ぎのようなもの
きっと消せる あなたなら
その腕でわたしを抱き上げて
森の奥深く連れ ....
繰返してはいけないと思っていても
繰返してしまう
それはちょうど悪戯っ子が
すぐにばれてしまう悪戯を繰返すのに
似ているのかも知れない
かまって欲しいわけでもないし
誰かに判って欲しいわけ ....
「おばあちゃん元気にしていた?」
わたしの大好きなおばあちゃん
共稼ぎの両親はいつも家にいなくて
学校から走って家に帰ると
おばあちゃんが出迎えてくれて
手作りのおやつがとても美味しかった
 ....
わたしがサミーラと知り合ったのは
見知らぬ国への好奇心と
ちょっとした向学心
辞書を引き引き書いた拙い手紙を
赤と青の縁飾りも可愛い封筒に入れて
生まれてはじめての海外文通
切手一枚でつな ....
どうしても捨てられないものがある
幼い頃母に買って貰った運動靴
靴入れの奥に今も大切にしまってある
いつかあなたもシンデレラになるのかなと
七歳の誕生日に買ってくれた運動靴
そういえばこの季 ....
「あら、どうしても扉が開かないわ」
これまで幾度となく国際線を利用してきたが
経験したことの無い強い衝撃に突然見舞われた
それは、俺に跨っていたCAにしても同様らしく
膝下までずり下げた下着を ....
「こんばんは、お久しぶりね」
聞き覚えのある声に振り返ると
おんながひとり乗っている
「今日ぐらい早く帰ってきてね」と
妻にせがまれたのに残業を強いられた
可愛いひとり娘の誕生日だっていうの ....
わたし疑われています
あのひとがとても大切にしている
ミニカーがどうしても一台足らないと
夜毎わたしを問い詰めては
狂ったように折檻を繰返すのです
わたし紅薔薇婦人じゃないのに
緋色のロー ....
いつまでも気付かなければ良かった
と思うことがある
熱帯夜の寝苦しさに目をふと覚ますと
わたしの知らないおとこのひとが
わたしの横で寝ていて
二つ並んだお揃いの枕と
ふたりで寝るには狭いベ ....
どんな蝶でも蜜を求める花に
好き嫌いがあるように
あなたの望む花と
わたしのなりたい花には
どうしても相容れないものが
あるのかも知れない
たとえば地味目なおんなのひとがいて
百人のおと ....
☆ おへそにピアス


おへそにピアスしています
ローライズのずっと上
チューブトップのちょっと下
夏の視線がやたら眩しくて
わたしのまんなか
おへそにピアス
わたしがまだ
あのひ ....
コウノトリの飛来を告げたとたん
「あなたは要らない邪魔だ」と言われた
明日への架け橋は
明日の幸せは
求められてはいないらしい
求められているのは機械でいること
物言わず働くこと


 ....
今年も古い母屋の軒先に
つがいの燕が巣作りしました
生まれたての可愛い雛たちは
親鳥の帰りをひたすら待っていて
精一杯の幼い首を伸ばして
甘えたような鳴き声あげている
(なんだか可愛いな
 ....
どうやら朝を迎えたような気がする
朝の日差しに目覚める窓ひとつ無い部屋
暗闇に閉ざされたキューブとでも
例えられそうな この狭い部屋のなかで
確かに感じられるのは
未だ眠りから覚めぬあなたの ....
カレーライスが食べたかった
あなたと通った高田馬場早稲田通り
夕食にはちょっと早すぎたけど
なにげにカレーライスが食べたくなった
あなたの好きな福神漬けをたっぷり乗せて
おひやをスプーンでか ....
逢いたやあなたと浜千鳥
緋と思しき爪折れは
叶わぬ侭の夢吹雪
いつかなりたや恋女房


待てど暮らせど来ぬ文を
遠い都と香り立ち
揺れる簪 手の鳴る方へ
棗に忍ぶ 恋は霞と


 ....
君の言う単なる恋愛に
僕は幾度となく涙を流してきた



君の言う単なる恋愛に
僕は幾度となく命をかけてきた



なぜなら
そこに世界で一番大切な真実があるから



 ....
叙情の彼方を探るように この岸辺にて
翼を休めるものよ 優しげな日差しと
聞こえ来る 春の訪れを告げる歌声
地に生けしもの総て 目覚めの刹那を夢想する


巡る季節の旋律は いつにもまして ....
野に咲く白い花の可憐さを
優しさに満ちた眼差しで
静かに見つめる心を
わたしは肯定する


踏み躙られた拙い夢の儚さを
悲しみに満ちた眼差しで
静かに見つめる心を
わたしは肯定する
 ....
君と出会いしこの坂に
金襴緞子の晴姿
内掛け姿の君の名を
誰が鳴かずにいらりょうか


袖振り合うも多生の縁と
交わす会釈もいとほしく
生まれし定めは違えども
つのる恋と咲き乱るる
 ....
狂おしく 狂おしきままに
待ちわびて
結ぶ太鼓に散る花は
夢見の果てとあおぎみて


流れゆく 流るるままに
時すぎて
契りし思いに散る花は
あれは逢瀬とかえりみる


帰らぬ ....
生きるも勝手
死ぬも勝手

上司と情死
不倫の果てに
手に手を取って
思い出めぐる
片道切符
湯上り浴衣
抱き合って写した写真
を形見に
海波
砕ける断崖から
身を投げる
 ....
Rin Kさんの恋月 ぴのさんおすすめリスト(117)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ふたりのちから- 恋月 ぴ ...自由詩10*06-9-5
こころの力- 恋月 ぴ ...自由詩34*06-9-3
不浄の力- 恋月 ぴ ...自由詩19*06-8-30
見えない力- 恋月 ぴ ...自由詩28*06-8-28
ハンカチ王子はお好き?- 恋月 ぴ ...自由詩29*06-8-23
ラヴなステーショナリー_その1- 恋月 ぴ ...自由詩20*06-8-18
それぞれの夏- 恋月 ぴ ...自由詩28*06-8-13
幸せと出会う丘で- 恋月 ぴ ...自由詩33*06-8-8
サミーラ- 恋月 ぴ ...自由詩30*06-8-3
捨てられない運動靴- 恋月 ぴ ...自由詩47*06-8-1
夜間飛行- 恋月 ぴ ...自由詩9*06-7-31
帰らざる海まで- 恋月 ぴ ...自由詩20*06-7-28
奇譚_番町ミニカー屋敷- 恋月 ぴ ...自由詩17*06-7-24
殺意- 恋月 ぴ ...自由詩42+*06-7-20
百合の花のように- 恋月 ぴ ...自由詩33*06-7-16
ボディーピアス- 恋月 ぴ ...自由詩27+*06-7-12
コウノトリが飛んでこなくなった日に- 恋月 ぴ ...自由詩19*06-7-6
スワローテイル- 恋月 ぴ ...自由詩28*06-6-28
Morning_Blue- 恋月 ぴ ...自由詩17*06-6-16
カレーショップであなたに愛を告りたかった- 恋月 ぴ ...自由詩17*06-5-18
新宿区「神楽坂」- 恋月 ぴ ...自由詩21*06-3-1
ラブレターを書きつづけた男の遺言状- 恋月 ぴ ...自由詩32+*06-2-19
早春歌- 恋月 ぴ ...自由詩16*06-2-13
名前の無い風- 恋月 ぴ ...自由詩17+*06-2-3
新宿区箪笥町「袖擦坂」- 恋月 ぴ ...自由詩17*06-2-1
新宿区市谷船河原町「逢坂」- 恋月 ぴ ...自由詩24*06-1-29
勝手憐- 恋月 ぴ ...自由詩4*05-6-30

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