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仕事帰りの人々がため息まじりにぞろぞろと
スクランブル交差点をわたり渋谷駅へと吸い込まれてゆく

18時20分

パチンコ玉なった僕は
ジグザグに人と人の間を{ルビ縫=ぬ}ってゆく

 ....
つまずいてばかりの日々にうつむいて
ちぢんだ心を{ルビ潤=うるお}す
水の湧き出る場所を探し歩いた

立ち止まり シャベルで穴を掘り続け
気がつくと
静まり返った暗い穴底にひとり

小 ....
親父は定年退職し
母ちゃん専業主婦となり
息子のぼくは半人前

母ちゃん家計簿とにらめっこ
ばあちゃんが払う食費も1万ふえて
なんとかやりくりの日々であります

雨もりがあふれる床
 ....
人と争うように働いて
話す気にもなれず
押し黙ったまま一日を終える

仕事帰りの公園のベンチ
あたたかいゆげで慰めてくれる
たこ焼を食べていると
目の前の通りを
なかなか客に呼び止めら ....
ガラス窓の外にはすでに
手の届かない場所に{ルビ向日葵=ひまわり}が
ほほえみを 風にくずして ゆれている

若き日のひとすじな愛の光を
遠い昔へ葬った者の
{ルビ濁=にご}った瞳に消える ....
さびしさに
ひざをかかえて
タオルケットははいだまま
「る」の字でねむる

あの{ルビ娘=こ}は今頃
遠い空の下
今夜も誰かに抱かれて
求めあう「る」と「る」を
くみあわせてる

 ....
大村 浩一さんの服部 剛さんおすすめリスト(36)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
「空白乗車券」- 服部 剛自由詩6*05-12-21
「井戸の底」- 服部 剛自由詩13+*05-11-17
さといも家族- 服部 剛自由詩22*05-11-5
白いゆげ- 服部 剛自由詩23*05-11-1
遠ざかる、向日葵の花- 服部 剛自由詩4*05-9-2
「る」- 服部 剛未詩・独白31*04-7-9

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