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まっすぐ伸びた茎に
まだ開ききらない
若いガーベラ
その素直に親しみ
その芯を持て余した
ガーベラ
まぶたの間に
顕れた苦しみ
黒目を大写しにする
苦い海水のような涙
喉に ....
人が住む箱ばかりのくせに
午前一時の住宅街は
音を立てるのは容れものだけ
人の声がきこえない
公園に並ぶ枝ばかりの木は
夜空より暗く
影絵のようで
冷たい踝で立つ枝の真下は
無音だ ....
いつもと変わらない椅子席で眺める
連なる街路樹
葉の不規則な動線
石畳の歩道
日の当たりは白く
珈琲の香りで縁どられた窓枠の中に
挑むような口
軽やかな髪で
無造作に過ぎる横顔
....
わたしが「タバコはキライ」って知ってるあなたは
わたしが「タバコ吸う人はスキ」だとは知らない
わたしの傍からあなたが離れてく時は
だいたいタバコタイムで
あの部屋では
....