鶴なんか折るな
紙がもったいない
心の中の本棚に
私小説が増えてゆく
主人公は
いつも不器用で
哀しいほど
いつもみっともない
誰が読んでくれるでもなく
ただ
収められてゆく
落胆のため息とともに
それは ....
君に会えたことさえも
今じゃ全てが気持ち悪い
さっき食べたものさえも
一緒に吐き出してしまうこの始末
あぁ人を好きになるって
こんなに切なくなるものなのね
はじめからわかってた
君が誰が ....
にゃんでか知らにゃいけど
「にゃににゅにぇにょ」
が言えにゃくて、全部
「にゃににゅにぇにょ」
ににゃる
日常生活に支障はにゃいもにょにょ
こにょままでは
僕が僕でなくなってしまう
....
彼女と喧嘩して
いい加減にしろ
と怒鳴るつもりが
いい加減にすれ
と言ってしまった
こらえたがやっぱだめで
吹き出してしまった僕の
少し後に吹き出した君
ふたりで涙を流して ....
目が覚めると
右手がチョキになっていた
いったい僕は何と戦ったというのだろう
夜中、こんなものを振り回して
援軍の来ない小さいベッドの上で
お前は
あんなに話したことを忘れたか
楽しかった日々も忘れたか
用心深い俺は
なかなか人とうまく関われなかった
お前とは
すぐ
打ち解けたのに
お前は自 ....
アスファルトを割って
小さな花は咲きました
私は花の名前を知りません
花も私の名前を知りません
花は花の名前を知りませんし
スナック「花」のママを知りません
そうして花は咲きました ....
私が泣いているのではありません
私の中の
どこかが泣いているんです
涙でも泣き声でもありません
私のどこかの
傷みです
種のようなものを拾った
地面に埋めて水をやった
芽のようなものが出て
葉のようなものになって
つぼみのようなものがついて
花のようなものが咲いた
僕のような人がそれを見ている
何か言 ....
田舎の小さな駅に
僕と君の靴音だけが響く
君は今にも泣きそうに言ったね
もう少しいられないの
東京に帰るのは明日でいいでしょ
そういうわけにはいかなかった
まとまっ ....
私には家族がいて
一緒に笑う友達がいて
柔らかく抱かれてくれる仔犬もいて
だから
思ってはいけないことなのかも
“ひとりぼっち”だなんて
・・・・
きっとこの“ひとりぼっち” ....
駅のホームで国歌を斉唱します、国歌を斉唱したいのです
どこの国歌でも構いません、僕は斉唱したいのです
恋人はホームの先端でフェンスを噛み砕いています
ものすごい音をたて、あるいは音をたて ....
僕は
君の笑顔をみるだけで
元気になれた
電話番号を聞いてみよう
どの辺に住んでいるか
聞いてみよう
思い切って
食事に誘ってみよう
そんなことを考えて ....
まだ
君には言ってないけれど
僕は
君に言おうと思っているんだ
君を誰よりも好きだよ
その笑顔も
後姿も
声も
僕は
誰よりも君を愛している
....
ばかみたいに・・・
ううん
ばかでもいいや
まちがってても・・・いいや
きみを
しんじるんだ
何気なく
ぶらぶらしていたら
花びらが飛んできた
俺の気に入っている
縦縞のシャツの肩越しに
やっとの思いで
止まっている
薄紅いろの花びら
俺はそっと ....
あいつが男か女かなんて
今の俺には
関係ない
互いに本音をどこまで言えるか
互いに
嫌なところを
どこまで許せるか
今の俺には
それが
大切なんだ ....
手を差し出せずに 僕たちは
手を繋げずに 僕たちは
それでも互いの温もりを
感じたくって
確かめたくって
他に知らなかったから
蹴ってみた
ぶってみた
突き飛ばしてみた
踏み ....
夜に逢うと、ゾクゾクした
わたしのくるまに彼を乗せ、
どこまでも走った
くらいくらい道を
誰もいないところに行きたくて
ふたりになりたくて
そしたら、山の中にいて
見渡 ....
僕がやっと言えた一言
君が好きだよ
ぼそぼそ
やっと言えたんだ
はにかんだ君が
私もと言ってくれた時
僕たちの時間は一瞬止まった
君のためなら何でもするなんて ....
君と僕の
初めての「くちづけ」は
何年前だろう
君は
大粒の涙を流して
僕の名を呼んだ
僕も泣きかけた
もう
僕たちは会えないと思っていた
間違い ....
ごめんなさいが
素直に 言いたい
自分を取り繕う為ではなく
怒りを上手く かわす為ではなく
本当の ごめんなさいが
素直に言えるように
なりたい
傷ついた
自分の心を 知ってい ....
俺は写真でしか
見たことないけど
白い彼岸花
お前は
なぜ白い
赤い血を流すのが悲しいのか
赤い血に染まるのが苦しいのか
赤い彼岸花に
いじめられないか ....
あら、困ったわ
が口癖の君が困った様子なんて
今まで見たことがない
あら、困ったわ
なんて言いながらも
トントントンッとまな板の上で大根を切ったり
ザッピングをし続けた挙句の果ては ....
君の人生を色にたとえたら
何色
僕は何気なく聞いた
君は
オレンジ色って笑って言ったね
君らしい答えで
君らしい笑顔だったよ
バラ色ってほど
いいことば ....
僕は好きな池のほとりに
一人たたずむ
その昔
美しき姫が祈りを捧げた池
氷の花を咲かせ
冷たく微笑む
心痛めた者だけが
その冷たい微笑の奥に咲く
優しき ....
愛する人
僕が君の何だろうなんて
もう聞かないよ
思ったより
色が白くて
胸が大きかった
今
僕の腕の中で眠っている
それで僕は何もいらない
愛す ....
俺の翼が
ボキリと折れた
痛みがなくて
音で気付いた
もう
お前の所へは飛んでいけないぜ
俺の翼が
ダランと下がってる
痛みもなくて
自然に抜け落 ....
今夜は
ウイスキーの水割りを飲んでるよ
僕はあんまり
ウイスキーは飲まないのに
なんだか
無性に君の声が聞きたい
別れを言い出したのは君なのに
僕を振り払った ....
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