すべてのおすすめ
有名になったヤエモンを
無理矢理走らせて
耐用年数超過した
鉄橋から突き落とす
お人形の
機関士と機関助手は
可哀想に殉職し
みんなの涙を絞り取る
橋のたもとには小さな碑をつくり
花 ....
春の朝も
冬の夜も
代わり番この
月がでる
びしょびしょに縛られて
かちんかちんに凍り付いた
寒い夜
堅い手足を
揉み解す時
回転体の約束を反故にした空の誓い
生まれ初めの空虚 ....
このごろは配給が有っても
お砂糖はいつでもありません
サッカリンは身体に毒です
甘いものといえば
こどもたちには水飴がよいのです
川向こうの小母さんのうちにあるかもしれません
....
擬態の年を
擬態のままで葬って
一年一度のすす払い
年越しそばを頂いて
後は新年おめでとう
冷たいくても美味しいね
おそばの汁はなにが好き
なんでも好いから暖かく
冷たい風に負けな ....
突然、
人間なんてららーらーららららーらー♪
と
フォーラムの
みんなが歌いだしたもんだから
あたまの中の空気は凍りつき
ザクザクと行進する
軍靴の音が響いてきた
かけがえのない
愛 ....
画面から
音楽が聞こえると
文字のコビトが
囁いて
画面に文字と書き込んで
そんなことないよと
笑われて
苦笑してから
画面の下を覗いたら
ピアノのコビトが佇んで
今か今かとタクト ....
招き猫が嫁に行った
注文の多い小料理屋には
微笑みも衒いも無くなり
自然
お客の足も遠のいて
入り浸りだった
どこぞの
ペルシャも
シャムも
来なくなった
閑古鳥を捕まえに
....
海の見えるまっすぐな線路を
新型のレールバスがひた走る
左右に拡がる田圃には若い稲が伸びている
長閑で郷愁を感じる眺めだが
時代錯誤ではないだ ....
昨日のこと
でかけようと
気を引き締めようとしたところ
ピンポーンとチャイムが鳴った
我が家のチャイムは
ピンポーンと鳴るのかは分からない
ピンポーンと鳴ったような ....
三月になると風が吹く
春の女神はすたすたとやってきて
荒野に隠れているものを見つけては
小さなろうそく握らせ火を付けて
外へと誘っているのが見える
たしかに
春はすべての成長を ....
中学のクラスメートに
森君という友達がいて
かっこいいので憧れていた
なにが恰好良いのかというと
森という姓とはにかんだ笑顔
彼の顔を眺めていると
人生はひとことでは表せない
うっそ ....
廃墟の街に雨が降る
昨日の繁栄は窓の外
地下室の中で雨宿り
嫌気性のキノコを探せ
廃墟の街は晴れ渡り
輝く青空に白の月骸
人無き路に風が降り
無機質がリンと鳴る
廃墟の ....
川の中を
無心に歩いている
歩きながら
水を感じて
冷たいと思う
ばかじゃんと言う声がして
バケツの水を掛けられた
全身濡れ鼠になったので
見損なったらしい
猫の攻撃を免れる
....
隙間人間第1号が
開発されて
駅前交番に貼り付けられて
今日も元気の良い声を張り上げて
こんにちは、お嬢さん
お兄さんに奥様の
お連れの旦那とスヌーピー
学校帰りの児童にも ....
あ
敵の
水雷だ
ドブンと
かいくぐる
青白い顔色の
ガキンチョ教師
武芸を目指すお侍
家庭教師の船乗りは
キタキツネの息子さん
水陸両用士官候補の才子
キラキラ星夜に咲く膏血の ....
勤労感謝の日の昼下がり
今年も晴れているから
散歩に行かなくてはならない
木枯らしの吹く前にと
慌ただしく一年分の
犬の散歩する人の群が
通学路の小径を占拠して
昨日の午後
学校帰 ....
税込み15750円
が
うたう
おどる
ひらがなのカッターが
柔らかく微笑んでから
指先を丁寧に切り落としてゆく
シワスノゴゴノヒトトキ
∧師走の午後の一時∨
おせち ....
ギー
バタン
ドアが閉まる陳腐な比喩が威勢良く飛び込んできて
着た切り雀のお兄さんが驚いて二階の窓から飛びだして
倶利迦羅紋紋のお兄いさんが三列乗車の列から押し出され
だらしないなぁ!と ....
オート三輪は
とくにダイハツのオート三輪は
蝉の顔をしてますよね
というわけで
ヌケガラも
オート三輪選詩集の
タイトル候補になったのだけど
魂のないヌケガラ
ガラガラと廃墟の中で崩れ ....
硬直した光のように
景色が泥沼に沈んでゆく
音のない世界から
チェンバロの音が響いてきて
三毛猫の背中が艶々してきた
足音を忍ばせて
万年塀を伝わり
音もなく地上に降りて
夕方 ....
メモ帳のハジッコを食いちぎる足が
ある
過去帳の真ん中に指を突き立てて
先祖の位牌を燃やす
あれは
おれは
過去から来たのではないのだと
ググったら855件もでてきやがった
過 ....
ごごっ!
と
大きな声で吠えたんだ
犬の
コロちゃんのような
声だから
声だから
午後の声だから
空間に消えるのだ
周波の跡を手探りで追って行く
空間だから
届かない
波の無い ....
幸せは
仕合わせと
書くのだと
誰かに聞いた
自分から努力して手に入れるのが
仕合わせなのだと
言いたいような顔をして
ところてん売りのお兄さんは
鉢巻きをしてバイク ....
煽る役
煽られて
炎が立って
こんにちは
ご機嫌よう
では、では
なんて
曖昧なことを言いながら
ゆらゆらと揺れて
揺れていることも忘れて
下重
なんて言ってみる
シモジュウ
....
ギャーと言えば
ギャー
ギャーと言え
ギャー
ギャーギャー
うるさい蛙の声に
おい、黙れと
太い声がして
石が飛んできた
頭をかすめて
向こう側にすっ飛んでゆく
音速 ....
なにも知らないふりして
黙って下を向いて
箸を手に取り
黙々と食べていると
見たこともない
アホウドリの影が
急降下して
隣家の大屋根が
まっぷたつに割れる
ガラガラと瓦が落ちる
....
グーチョキパーの
あめんぼう
虹の彼方に飛んでゆく
とんでったのは
僕の意識と
見た目の悪さ
あめんぼう
あめんぼう
人を見つけに
雨上がり
グーチョキパーと
滑ってる
....
お天気がよいから
ぼんやりと
窓の外を眺めていたら
あれが伊豆の大島だと
若い人が
得意そうに教えてくれた。
太ったサツマイモを
横に置いた
そんなのっぺりした形が
遠く ....
囓りかけのパンを
置き忘れて
二人は立ち上がった
九官鳥の羽根を身に纏い
新月の夜は巡るのだと
顔だけを空に向けて
歩く
垂れた電線を潜り
蛇が
鎌鼬のような顔をして
平行 ....
水鉄砲を空に放つ
夏
リアス式海岸を
走る
気動車
機関車
各駅停車の
車両達
それぞれが
異なる
ジョイントの音を立てて
走る
水鉄砲を携えて
....
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