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春の色に月やあかきと問ふ人の
かざしにせばや八重桜花



あらし吹く春ならずともこぼるるは
恋のこころの花とこそ知れ



仮初の夜にも似たるかいささくら
 ....
 


 一


日々を連写して
間違い探しをする

遠浅の青に
いつもの魚が溺れている
鱗がまた一枚なくなったこと
それを除けば
昨日と今日の境界線はゆるい

魚は、な ....
通り過ぎた列車の
なごりの風が、引き連れる
潮のにおい
線路沿いにこの道をまっすぐ行けば
ほら、海が近づいてくる

そう言ってふたり、短い影を
踏み合いながら走った日
無人 ....
やってみたいことはたくさんある けれど、
やっておきたかったことも、たくさんあった

高く、空に流れていった最後の校歌と
旅立ちの、握りしめたら少しだけ痛い
金釦のような歌
それらをいいわ ....
てのひらに乗った 雪が
溶け出して、僕の
一部になってゆく
降り始めに気がついたのが
どちらだったか
もう忘れてしまった

雪は
これで最後かもしれない、と
最初に言ったのは君の ....
薄色の文引き結ぶ梅が枝に
  あはれこよひも花の咲くらむ


花に積むはかなき雪の消えしとき
  心づくしの香ぞ立ちにける


東風吹かば北野にかへる白梅の
  ごとにかなしきひとよ ....
つないだ手を
そっ、と離して
春までの距離を
歩数で測っていた君は
三十一歩でくるり、と振り返って
僕に何かを伝えてきた

如月駅を走り出した始発列車が
僕を追い越して
君を ....
君の誕生日、だとしても
ケーキの苺は譲れない
ぼくはこれでも、苺が好きだ
で、次に
ぼくのじいちゃんは船長だった
海賊船の
もう随分昔のことだけれど

なんて言ったら、笑う?
笑わな ....
「雪の音階」


舞う羽の静かな音こぼれるよう
  手のひらの中で羽化した希望(のぞみ)

こんこんとこころに積もる雪の下
  あなたが埋めた種が芽を出す



 ....
夏の僕らに
色をつけるなら、たぶん
それは透けてゆく、ライトブルー

てのひらに載せた水を打ち上げると
はじける あなたの 歓喜、にも似た
飛沫が 止められない光を集めて
虹を降 ....
あなたはためすように
月を詠むのです
椿の花が落ちる夜に
闇から色を分かてるのか
ためすように
あなたは月を詠むのです

くれなゐは
いつぞの契り
くれなゐは
今わにみ ....
見知らねど行き着く場所はここにある
  夢見て君を連れた北国


いつのまにか眠った僕の携帯に
  隣の君から夕陽の小樽


真綿色の雪があまたの恋に染み
  冷たい北の印 ....
涙を混ぜる、という行為には
冬の夜は長すぎる

ひつじが百匹を超えたら ふいに湧き出す
僕って何だろう、みたいな問いかけに、いつも
たまたまこの星に生まれて
たまたまこの国に来 ....
根雪というも、いずれは川になる
姿は消ゆれども
解き放たれる
いずれは川になる
根雪  去ったあとから芽吹く、新芽に
何かを告げることさえ請いもしない

落ち葉はいずれ母になる
 ....
なんということ
こんなにもきれいな
瞳をしているのに


のに


祖母は私の瞼に触れて
また少しちいさく
かすれてゆくかのように
そう言ったんだ
薄い皮膚で感じた
あなたの ....
ぼくらはいつも
見ていたんだね
同じ窓から
午後の青空
透ける葉脈
震える小枝
それらにも似た、未来

ぼくらはいつも
感じていた
同じ風を、違う感受性で

教室にいる ....
春からひとり
流れてきた
おまえ

こんこん冬と
墨染めの宵の川は
さぞ冷たかろう

月様には出逢うたか
さぞ澄ましていたろうに
あれは誰かを
好いている

一に ....
ほら
雪って、生きているのよ
空からここまで辿ってきた足跡が
真っ直ぐじゃない

一粒ずつみてごらん
そうしたら、ね
小さな顔がある
あ、いま 目線が合った
雪はそのむかし 薄紅 ....
北へ向かえば
沙羅(しゃら)と響く、雪の羽音―――




心地いいほどに
絡まる、しらべ
高みにずれてゆく、音階
いつだって夢から、さめたら
君が立っていた
両の手に
 ....
あなたの電話に繋いだら
あなたが出る
そんな当たり前のことを
確かめたいと思った夜に、いま
窓を開けて出逢いました

複雑な涙ほど
単純な味がして
離れてゆくほど
迫って ....
かみ合わない歯車に、また少しだけ時がずれる

秒針のきしみは それでも
壊れたメトロノームのように 私を、
追うから
逃げ込んだいつかの雪原で 私は、
細雪がわずかに切れる夢を見た

 ....
 

 一 琴引浜

さくら貝は、はかないという言葉がお好き
はかないという枕詞がつくものには
とりあえず歌ってみる
それらはかつては量産されたものだが
貝は、そんな厄介なものは持ち合 ....
★調整中 金木犀の
金木犀の
花の陰が
心にはらり、落ちてゆく
この道は
この道は
いつに辿ってきたのでしょう

金木犀の
金木犀の
花の香は
昔にかよう
消えかけた
面影一つ ....
コスモス揺らめくかの丘に
 置き去りのままに鐘が鳴る
なにも言わず別れた日さえ風に鳴らされ
君は今は誰かと
 夜に沈むのでしょう
  明日は晴れです
君なしで始めた暮らしが
君な ....
夕闇の
あの色が好きです
切なさをひとつぶ
いとおしさを一粒
弄んでは
つぶすたびに
広がってゆく葡萄色

甘いあまいのは
街の匂い
あなたとはぐれた
秋の匂い

五 ....
とれそうなまま
しがみつくもの
制服のボタン
放課後のバッタ

ほどはるかな道
引きずった影
空笑いで蹴飛ばす
夢の石ころ

かたむいた道
走り出すバス
遠ざかってゆく
 ....
五山の文字の
ゆえんなど知りません
それでも私は
わずかに香る炎が尽き
夜が少し涼しくなるのを
ただ待っているのです

まだきっとどこかで生きているだろう
あなたを見送っているのです
 ....
   障子のむこうでは
   雨の簾が揺れています

   重なり合う影を
   私の分だけ
   一枚引き剥がして
   あなたの流れに
   耳をすませ
   聞き取りたいのです
 ....
さざなみが月を潤ませて
消してゆく二人の名前
ゆうなぎは心の糸まで
もつらせて切ってゆくのか

灯台も暮れ馴ずめば影にまみれ
境をなくす浜辺と海

こわれた砂の城に波が
さよならを塗 ....
ぽえむ君さんのRin Kさんおすすめリスト(61)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
月下咲羅(げっかさくら)___■古語の宴参加作品■- Rin K短歌20*07-3-22
輪廻- Rin K自由詩32*07-3-19
夏の切符_〜海岸列車〜- Rin K自由詩48*07-3-8
第ニボタン- Rin K自由詩31*07-3-3
ラスト・スノー- Rin K自由詩41*07-2-24
_こいぶみ___________■_古語の宴__参加作品■_- Rin K短歌16*07-2-21
如月駅- Rin K自由詩50*07-2-15
苺愛歌- Rin K自由詩37+*07-2-2
■共同作品■_冬幻郷(とうげんきょう)- Rin K短歌27*07-1-31
蒼透色- Rin K自由詩30*07-1-23
月を詠むひと- Rin K自由詩39*07-1-16
北国にて- Rin K短歌18*07-1-13
サークル- Rin K自由詩32*07-1-8
閑山の寒- Rin K自由詩25*06-12-27
なみだのつぼみ- Rin K自由詩34*06-12-17
同じ窓から- Rin K自由詩30*06-12-16
花瑞葵(はなみづき)- Rin K自由詩31*06-12-15
はつ雪の、舞う- Rin K自由詩32*06-12-6
雪とバニラと僕らの関係- Rin K自由詩29*06-11-25
そんな、あなたへ- Rin K自由詩29*06-11-24
ささめゆき- Rin K自由詩45*06-11-10
うたまくらの浜- Rin K自由詩28*06-10-18
君待月- Rin K自由詩19*06-10-12
金木犀- Rin K自由詩27*06-9-30
花咲く丘で- Rin K自由詩22*06-9-21
葡萄色の- Rin K自由詩35*06-9-18
放課後のアンバランス- Rin K自由詩19*06-9-6
送り火- Rin K自由詩27*06-8-18
べにさし- Rin K自由詩20*06-7-20
ブラックサンド・ビーチ- Rin K自由詩34+*06-7-5

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