すべてのおすすめ
河原でハマグリを焼いた
たった一人で
誰にもらったか覚えてない
買った記憶もなかった
まだ食べてみもしないうちから
香ばしさが口中にひろがった
煙ばかりが立って
....
あなたは迷うように見上げた
今日の散光を苦い舌でなめて
長い午後を霞ませる問いかけに
指がわずかに答えようとしかけたのを
隠すみたいに柔らかい拳にして
立っていた
....
冷えた月光が酔い痴れ
猫が舌なめずりをしている
木枯らしが掃き溜めた暗がりで
誰かの影を踏んだと驚き
見返れば
巨大な墓石が黒々とつらなるあたり
茫として仄明かりに白む天蓋
一閃の流れ星 ....