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世界一の美女と言われたから僕の世界で一位のひとを映した
ねえそんなことってあるの嘘だって言っておねがい鏡よ鏡
無垢な目で林檎を齧るきみならばきっと蛇にも好かれる運命
血の ....
きみが目を閉じても風は草原を夜空を海を旅してまはる
涸れてゆく泉にきみの瑠璃色の絶唱とわに不滅の予感
雨の駅、雨のバス停、雨の庭。きみが ....
{引用=澄んだ光の菜の花 そうしてかざした手のひら
数を数え飽きたらすぐに ここまで走っておいで
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満天の振り子時計の催眠術 そしてあなたも地球を忘れ
寝る前に目覚まし時計を仕掛けなさい 冬眠なら苗床でしなさい
哲学者と詩人と恋人達のため囀り止まぬプラネタリウム
窓際の ....
{引用=ことばを生気づける、死でもって。
こもん}
隻眼の雲雀ただよふおおぞらのもとより暗き世界を孕み
やさしさは午後のひかり ....
雷鳴にかきけされてく「さよなら」と微笑みながら消え逝く夏よ
画用紙の上でちぎれんばかり手をふるは向日葵それともきみか
欠けてゆく月も満ちてゆく月も紙一重に映す海鏡
....
着慣したる父の背広ひろげれば 知らぬ匂いの蝶が湧きたり
銀の針に
雨糸通し縫い合わす
宵の衣の白さ哀しき
空揺れる
ブランコ振り子に
時忘れ
むかしと今を行きつ戻りつ
約束も出来ぬきみ待つ日も翳り
小さき溜息
風にさらわれ ....
水槽に知らない虫が湧いているそれはそれとして夏は過ぎゆく
六甲のおいしい水を買い占めてもうすぐ君は火星に帰る
部屋中の精密機器は引き出しへ理工学部の多田君が来る
雨上がり気付かず傘を ....
追いたいと思う心理を知り尽くし残り香すらも残さぬウサギ
いつもはね慎み深い私なの 貴方は特別“私を食べて”
「首を切れ!!」怒鳴るクィーン黙々と従うスペード恋は盲目
30 ....
水鉄砲空に向かって引き金引けば雨とは違うりずむさわかる?
朝露で光る蜘蛛の巣払えども蜘蛛を払わば晴れぬ我が梅雨
魚たちきらめきながら海の底反射の果てのうろこ雲かな
君の名 ....
わが傷は暗黒の形にえぐられて遠い砂漠に見知らぬ人影
{ルビ落葉=らくよう}の赤錆色に濡れひかる秋の位牌の冷たきエロス
長崎のペテスブルグの上海の凍える窓濡れたるすべての窓
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