すべてのおすすめ
何かをはじめるためには
何かを終わらせなければならないと
手紙に書いた
何かの本で読んだ言葉だ
と書いたけど
嘘だった
けれど
そんな気がしてるだけで
本当は言葉なんて
き ....
パンの人がいた
とてもやさしい人だった
パンの人は毎朝耳を焼かれ
いい匂いをさせて目を覚ます
家族をやわらかく包みこみ
ひとときの幸福をもたらしてきた
パンの人はどこか淋しい ....
ニュースを繰り返す
缶蹴りの午後
配線のため
テレビを消す
敗戦が聞こえる
空に花が咲いてる
母はアンテナ修理する
一人しかいない
父を受信するため
カランダッシュ ....
いつまでも
空想してるので
年老いたことも知らない
ランドセルを背負って
横断歩道を渡れば
簡単なことだった
この畑には
背の低い木があったはずだ
僕と年輪を同じくして ....
真夜中
港まで自転車で走る
橙のあかりが点々と
その下に一人
また一人と
釣り人が並んでる
釣れますか
聞いても誰もこたえない
みな透明だから
二人乗りしてきた友人も
いつのま ....
雨の日なば
いっぱい
匂いっこするっけおの
雨の日なば
匂いっこ嗅ぎつけて
いっぱい
犬っこ集まるっけおの
雨の日なば
いっつも
なんかの大会
やってらっけおの
ば ....
冬の吹雪と
春の桜が散る様子は
趣が似てるように思う
そんな時僕は
大の字になって寝そべり
雪と桜に埋もれて
何か大きなものとひとつになるまで
ずっと、そうしていたものだ
積も ....
俺達の恋が
たった今終わるとしても
海は死ぬまで海なのさ
恐ろしいほどの盗品が
今朝も浜辺に打ち寄せる
宝のようにそれは
ゴミでもあり
生きざまでもあった
おじいさんが
ランドセルを背負って
元気に登校していく
おじいさんは
まだ三時間目なのに
給食を食べる
お父さんは
車輪のない自転車で
道なき道を
どこまでも走 ....
老婆は
朝市で売れ残った
5本の胡瓜のうち4本を
田んぼの用水路に捨てた
4本のうち1本を
散歩中の老爺が川で拾った
老婆のきょうだいの老爺は
翌日老婆と一緒に
ふたり仲良く胡瓜を
....
パラパラ漫画の
途中のひとこまが足りなくて
ぎこちない様子は
まるでぼくの人生のようだ
足りない日記の一ページのことは
思い出せないけれども
思い出せないふりをしているだけで
ほんとうは ....
告げることもなく
終わるものの
西日に照らされる
影のかたち
騒がしく
鳴り続けた夏が
ひとびとの胸に刻まれる
記憶のかたち
あの角にはたしか
食堂があったはずだ
なぜ ....
AB(なかほど)さんの小川 葉さんおすすめリスト
(42)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
日常
-
小川 葉
自由詩
3
09-1-9
パンの人
-
小川 葉
自由詩
2
08-12-31
カランダッシュと電波
-
小川 葉
自由詩
4*
08-8-31
道草
-
小川 葉
自由詩
5
08-6-21
港
-
小川 葉
自由詩
11
08-6-18
雨の日にいっぱいの、におい大会
-
小川 葉
自由詩
6*
08-4-25
さくら祭り
-
小川 葉
自由詩
3*
08-4-1
盗賊
-
小川 葉
自由詩
2
08-1-31
足りないもの
-
小川 葉
自由詩
3
08-1-24
胡瓜5本
-
小川 葉
自由詩
5*
07-12-20
パラパラ漫画
-
小川 葉
自由詩
7
07-10-27
冷やし中華終わりました。
-
小川 葉
自由詩
6*
07-8-30
1
2
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する