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きみの柔らかい生き物を
毎晩夢に見る
わたしの柔らかい生き物を
かつて沼だった土地に放した
放物線を描いて
慎ましい身なりを合言葉に一斉に種弾く
それからの手記
それからの鐘の音
きみ ....
人体模型を誘拐した時
何か 黒いものがその筋肉に付着しているように見えた
今となっては少しだけ思い当たる
下着を見られた 夜だ
あれは





そんなに見られて 恥ずか ....
  緑のべ
  胸の静かな鳥、飛んでる  嘴鳴子 (呼びやる、手がさざなみだ)
  ぜんぶがぜんぶ静止画のようにただの一片を切り取った
  狭いから 気をつける  体を食べる線に 付き合う
  ....
{引用=
鱗はがし


   ぐったりとした坂の両脇

   片付けられたばっかりの ここは小さな店屋さん

   向かいではやけくそなハンマーが突き出た骨を打っていて

    ....
エゲレスで
イエローファット病が流行ってからは
刺繍入りのコルセットなんて、とか
上等の砂糖菓子なんて、とか
囁かれてしまって
女たちはとても恐れた

個体によって差はあるけれども
た ....
1.

シナ子

今、列車に乗っている
田舎に帰る
トンネルに入るとヒューィって音がこだまするの
それは列車の車輪の音
昔よく吹いていた草笛にも
車掌さんが切符を切る音にも似てる
 ....
いつもララしてる

おねーさんのお目目は困ったくらいの蜻蛉球で
少しずつ村の人が齧っていくものだから
少しずつ世界が薄くなっていったけれども
その度に縞模様が増えていくので
おねーさん ....
 感情の吐露です
  それは美味いのですか
  脂がのってるのですか
  私は場違いではありませんか
  大将、
  はちまき ずれていますよ
  ずれているのは何だっけ
  そ ....
  わたし
  ごくつぶしの耳鳴り芳一と
  反転した橋の下
  こうもりみたいな夜を過ごす
  森の、もっと森の方
  ただのニレだったという屍が
  糸を引いて地面に伏せるまでの時 ....
AB(なかほど)さんの嘉村奈緒さんおすすめリスト(9)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
篝火- 嘉村奈緒自由詩813-3-31
裾をめくった- 嘉村奈緒自由詩6*10-8-10
打ちつけられて- 嘉村奈緒自由詩1510-8-5
星を千切る- 嘉村奈緒自由詩15*07-4-23
イエローファット病- 嘉村奈緒自由詩806-12-12
シナ子- 嘉村奈緒自由詩37*04-10-8
白紙- 嘉村奈緒未詩・独白403-12-8
寿司屋にて- 嘉村奈緒自由詩6003-11-18
ニレ- 嘉村奈緒自由詩1303-4-19

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