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わたしはわたしの 
根深い業から 
解き放たれよう 

闇に咲き誇る{ルビ薔薇=ばら}よりも 
道の{ルビ日向=ひなた}に飾らず咲いた 
一輪のコスモスの前にしゃがもう 

何も語らず ....
喉が渇いたので 
駅のホームのキオスクで買った 
「苺ミルク」の蓋にストローを差し 
口に{ルビ銜=くわ}えて吸っていると 

隣に座る 
野球帽にジャージ姿のおじさんが 
じぃ〜っとこ ....
机に置かれた一枚の写真

若い母が嬉しそうに
「 たかいたかい 」と
幼い彼を抱き上げている

年老いた母は安らかな寝顔のままに 
「 たかいところ 」へ昇ったので
彼はひとりぼっちに ....
「幸福」を鞄に入れて、旅に出よう。

昔日、背の高い杉木立の間を 
見果てぬ明日へとまっすぐ伸びる 
石畳の道 
君と歩いたあの日のように 

( 舞い踊る、白い蝶々を傍らに。 

 ....
 昨日は寝る前に、原民喜の「心願の国」を読んだ。被爆者である
彼は、自らが作家・詩人であるという使命感から、その体験を書き
遺した。戦後間もない頃、母も妻も失い自らに残された弧絶の夜を、
彼は歩 ....
朝起きて 
寝ぼけた{ルビ面=つら}で 
鏡を見たら 
直毛の黒髪の中から 
ふにゃりとした{ルビ白髪=しらが}が1本 
飛び出していた 

指でつまんで 
ハサミで切って 
手のひ ....
    私は今まで
    気まぐれな風に吹かれるたびに
    力なく道に倒れていた

    だが、夢を追うということは
    眼前に漂う暗雲を
    光の剣で貫いて ....
私が生まれるより前に
戦地に赴き病んで帰って来て間もなく
若い妻と二人の子供を残して世を去った
祖父の無念の想いがあった
 
私が生まれるより前に
借家の外に浮かぶ月を見上げて
寝息を立 ....
さくらほさんの服部 剛さんおすすめリスト(8)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
野の花_- 服部 剛未詩・独白407-8-12
車内の隣人- 服部 剛自由詩33*07-3-25
母のお守り_〜ある母子〜_- 服部 剛自由詩20*06-11-26
幸福の谷_- 服部 剛自由詩14+*06-8-7
「踏み切りの前に立つ人」_〜原民喜「心願の国」を読んで〜- 服部 剛散文(批評 ...13*06-8-4
_「?」_- 服部 剛自由詩7*06-4-18
哀しみの夜に_〜僕を励ます十五年前の唄声〜- 服部 剛散文(批評 ...10*06-2-17
私が生まれる前に- 服部 剛自由詩18*06-2-1

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