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誰とも分からぬ手を取って
淡く土を開いてゆく
群の匂いは 偽って春
繋いだ指先から溶け混じるうち
赤く、白く、甘く染まる
羊水の中、震える声で目覚めを歌う
お前のために 歌っているよ
昼でも夜でも 街中でさえも
お前に恋しているのだ 私
お前を思って 名前を呼ぶよ
聞こえないのが 幸いだ
叫びすぎたら 喉が 裂けて
....
潜水病になった人魚と二人で
万華鏡を取り合って
あんまりひどく騒いでいたから
押入れの中から鬼が出てきて
キクコとカナエを連れ去った
着物のすそは、千代紙を散らす
あまいピンク ....