すべてのおすすめ
空は 晴れて
緑が 萌えて
鳥は 唄う
どうしようもなく
春で
朝で
まぶしくて
どうしようもなく
私は
女で
せつなくて
風が「る」のような ....
小さな夜
小さな部屋に
小さな明かりを灯して
泣き叫ぶくらいならどうか
美しく歌わせてください
姿なく鳴く鳥の声は染み渡り
深く胸のうちで跳ね返り
まるであなたを ....
(みえる?)
みえるよ
(きこえる?)
きこえるよ
空の色も 土の声も
自分の魂の熱いゆらぎも
氷の蕾だった五感が
白い星になって咲いた
「私」という宇宙は はじまった ....
ほたり ほたりと
流れていくものは
私の涙では ありません
手のひらに掬えば
ほんのりと色づいて
これは 紛れもない
星の溶けたものなのですよ
一粒 拾ってごらんなさい
....
望んで望むべく
生まれて
今日まで
はぐくまれても
それは
結局
望ましい
あなただったのですか
望まれていますか
だれかに だかれて
狂っている間は
忘れても
....
アオ色に吐く息
振動する空気
夜に暮れる心には
何も存在しない
沈黙を貫く耳鳴りに
周囲の反応をうかがっては
孤独を憂越感で溺れさせようと
もがく私に
クレパスで書きなぐった自由は程遠 ....
無くしちゃった青い傘
お気に入りだった青い傘
さがしに行くよ
雨に会えそな雲の下
風が頬にあたるのも
ポケットの中の手が
温まらないのも
気にしない
雨の降りそな雲の下
み ....
幸せな人を見るのが好きだ
あなたがうれしいと 私もうれしくなる
幸せな人を見るのが好きだ
優しいあなたを見ていると 優しくなれる
幸せな人を見るのが好きだ
昨日泣 ....
いつのことでしたか
忘れてしまいましたが
絶句したその無言の先に
あの日がちらついていたのは、確かです
日溜りの微笑む
静けさのなか
涙は花ひそめ
無表情に泣いていました
それはか ....
ひどく壊れた
{ルビ短笛=ピッコロ}の夜
胸の隙間にしみこんで
かたく凍った涙が
この身を裂く音
修行者のように
振り仰いだまま
静寂に刻む
生きたまま
この身を裂く音
....
あるときは
強く美しい旋律を奏でる
それはまるでピアノの線
あるときは
掴むには細く守るには脆い
それはまるで蜘蛛の糸
喜びも
哀しみも
銀色に光るひとすじの涙
荒んだ世界を低空飛行
きっと脳のどっか大事な部分を無くして
必死で繕って着飾った幸せは蒸発して
適応できなくて 斜陽
転がった思い出に切り貼りした喜びはめくれて
焼け落ちたうろこ雲
今 ....
なんとなく感じる 不安 このまま年老いて 死んでいきそうな 不安
欲を満たしたいという 欲 なんとなく流れてゆく 時間
たまらなく 何か 悲しみに近い 不安
どうして 何も考えずに 不安 ....
朝焼けの海も
だれかの夢のなかで揺れている
朝の一瞬の呼吸も、昼過ぎの時間が止まったそらのいろも
深夜二時のどんな陳腐な一秒にもかないはしない
夜は 自身が夜であるということだけで
僕にそう ....
生まれときから楽しいことをめいっぱい求めた
テレビゲームは非生産的な気がして仕方ないから
(いまテレビゲームへの疑念は
詩に向けられている)
八千円のアコースティック・ギターを質屋で買った ....
すがすがしい、とは
あなたのことを定義する
世界中の辞書には
それが 載っていない
身を切るようだった、面影と導き
わたしの中で
希望や、愛が、泣くとき
消え入りそうな説得 ....
つめたい指をしている
と あなたは言って
ふたまわりほど大きな掌で
包みこんでくれた
ゆきうさぎの見る夢は
ほのかに甘い想い出ばかりで
わたしは人のぬくもりに
慣れていないから ....
一、
あなたは私の言うなりに
深い沖へと オールを
漕ぎ出だす
大風に巻き込まれる一艘の小さい船にゆられて
片道きりの切符
私はささやきかけ続ける
「天国はあたたかいわ」って ....
白百合の季節ではないから
梅の枝を切ってきた
山の梅だから
きっと白い花が咲くだろう
ほんとのことをいえば
白い花はあんまり好きじゃない
私が好きな花は深紅の彼岸花で
それも墓地やな ....
ガラスの窓に近づける
湯上り 頬が 体が
滴の残る 洗い髪が
外気をひろい
火照ったのを
冷ましてゆく
くもったガラスに
呼べない名 を記して
人差し指は
その名を容易く
....
不純物はすべて取り除いて
何度も蒸留した
わたしがいます
つめたい
澄んでいる
淀み
夜のそらそのまま
映しこんでいる
潜りこんできている
そんな部屋だよ わたしの底流
....
咳がひとつ
窓を抜けて
枯草のなかに逃げた
草むらには
どうやら微熱の欠片が
カマキリの卵のように固まって
冬をやり過ごそうとしているらしい
わたしは昨夜見た夢を覚えていない
....
牡丹雪の日は君を迎えに行く
傘は持ってゆかない
いつだって
君は雪を掴もうと傘を飛び出してゆくから
町の街灯の下で
やさしい君が待っている
ひっそりと
ゆるやかな呼吸をしながら私を待 ....
喪中はがきのイラストに
スズランの写真をのせてみる
あの人は 花が好きだった
だから もう
それでいいよと親がいう
何十年払い続けた
「年金」を
あともう少しで受け取れるというときに ....
─佐々木好に捧げる
象が飛んでゆく
キリンが飛んでゆく
バオバブの木や やわらかな色合いのにんじんもとんで
ねえ、
どれもこれも飛んでゆくものたちはまる ....
さ
望んでごらん
何でも手に入るよ
君が望むなら
君は夢にある小川を望む
切ないほど優しく流れる子守唄のように
たゆたう小川
君は永遠の花火を望む
黒い貴婦人の胸に輝く ....
冬枯れの老木に
花を咲かせてやりたかった
とびきりの六花をこしらえて
枝という枝に舞い降りたのに
老木は身をふるわせて
あぁ、寒い
ゾクゾクするよ と呟いた
初恋に破 ....
花が 舞います 栗が 落ちます
全部 月に 返せそうにありません
月には いるのです
亡くなった 祖父が
病死の 祖母と 共に
水が 腐っています 水は 海に 消えます
畜生! ....
年の始めに聞く歌は
遠くの街の君の声
降り敷く雪に傘をさし
凍てつく道をこわごわと
息を弾ませ歩く君
もうじき会おうねと語り合う
年の始めに思うのは
聞くに聞けない母の声
冷たい空 ....
氷の風が吹く夜は
星の瞬き蒼蒼と
淡く浮かんだ
あなたの表情を
交す言葉の
間に間に見つけ
愁い喜び泣き笑い
腕を伸ばして
頬に指さす
柔肌温み
伏せた睫毛に星あかり
鼓動の ....
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