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熱い生成りのロウで封をした
真っ黒の布をかけて見えなくして
夜みたいな部屋に投げ捨てていた
そんな忘れかけていたものが
ふとした、はずみで
なが、れる。
止める事なんて出来るはずも ....
風景描写。
足首ほどの深さの川には
この時期多くの人が集う
或る子どもは魚を追いかけ
或る男女は飛び石を渡り
或る老人は側で居眠りをする
風景描写。
一両編成の青い電車は
....
夏祭りですくった金魚は
10年以上経った今でも元気で
水槽の中を気ままに揺らぎ
ときどき思い出したように
視線を合わせてくる
特に感情は見受けられない
小さな家の小さな水中で泳ぐお ....
投げかけてしまうのは
簡単なことだけど
それでおしまいじゃないって
みんな、知っている
自分の足で立つことが
どれだけ大切かなんて
色んな人が色んな言葉で
語ってきたこと
それ ....
しなびたような風にはたはたと
力なく揺れている黄色い旗
近くの小学校からだろう
校内アナウンスが外に漏れ聞こえる
時折キンとした音が混じりながら
光化学スモッグ注意報が発令されました ....
いつだって瞬間を見ることが出来ない
気付いたらつんと澄まして
そ知らぬ顔で頭上を照らす
なめらかな曲線で出来た満月
夜にいるにはあでやか過ぎる
汚れることを恐れていないような
きっぱり ....
綺麗ごとが染みに見えてしまうのならば
綺麗なもので世界中を埋め尽くせばいい
それが当たり前になるように
両手を広げられることを
抱きしめるべきものがあることを
美しいものを認めるこ ....
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