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だうな〜で
仕事さぼった翌日に
こころの{ルビ垢=あか}・{ルビ錆=さび}ふりはらい
いつものバス停に向かう
歩道の
前を歩く女子高生
突然ふりむき
( すかーと ふわ ....
時が吹いてる
風が経つ
風が吹いてる
時が経つ
なんの違いがあるだろう
おんなじ力の連鎖だろう
一生という時間を想うとき
一生という風を観てしまう
....
君の操る必殺技を
よく知らなかったので
不用意に踏み込んで
吹き飛ばされてしまった
それと同じような時代、なのかもしれない
人は満水になると、河へ
誰の肩にも当たらないように夢 ....
彼方からの気流にのって 届いたそれを
あのひとは
夏だと言った
わたしにとって
わたしの知らない、どこか
遠い場所で あのひとが
笑ったり、泣いたり、しているということは
あ ....
さまようものは変わりつづける
呼び声に腕をのばしつづける
風に手のひらをさらし
雲と火がつくる
灰色の羽を受け取ろうとする
となりあう炎がゆらぎ
ひとつとふたつをく ....
夜明けの街を
一台のインクジェットプリンターが
走り抜けていく
どこからか受信した文字のようなものを
ありったけの紙に印刷しながら
おそらくそれは全力で
疾走していく
雨上がりな ....
今夜 私には
逢いにゆく人がいない
孤独な夜の散歩者は
アスファルトに響く雨唄と
ビニール傘に滴る雨垂れの
二重奏に身を浸しながら
果て無い雨の夜道を{ルビ彷徨=さまよ}う ....
ぼくは詩を書きたい
自然がもたらす恵は
人にとって心の糧
今日もまた
朝の散歩をしていると
夏に出会いました
川に沿って続く草花の帯
その中で風が遊びまわる
草を生 ....
冷たい北風に煽られ
凍える霙に打たれても
白樫の木は黙して耐え抜く
容赦ない吹雪の最中
総てを失う事の恐ろしさに
怯えてはならない
大地深く張り巡らした根の先より
明日への滋養を ....
おおきな雲とか
もっとおおきな空とか
数え切れない窓の灯りとか
やみそうにない車の流れとか
虫の鳴き声とか
がしゃがしゃいう工場を育ててる人たちとか
そんな夜の中で、うたを歌ってるあたし ....
いつのまに
我が胸に吹き込んできた
風の{ルビ女=ひと}よ
君が踏みつけられた花を見て
傘をさしたまま立ち尽くし
ひび割れた心のすき間をほの青く光らせ
雨音に{ルビ滲=にじ}む心を痛め ....
もっとストレートにダイレクトに
さっと片付けてキャンプへいこう
きっとウィークエンド混んでるよ
ちょっと振り向いたら工事してた
やっと食べ終わってホッとしてさ
ムッときて ....
狭い檻の中に棲む
つがいの獣
明日を語らずに
今日を愚痴る
狭い檻の中で諍う
つがいの獣
嘲る口元には
朝餉の飯粒ふたつみつ
軋み合う魂より
産まれ出でし
いがみ合 ....
夕焼けに染まる
うしろ姿が焦れて
奇妙な鳥の羽が
手紙を星へ届けた
万年筆の青いインクでつらつらと
書かれた迷いのない筆跡で
時は重なっていて遠く定着している
斜陽は
雲にすじ ....
わたしたちが 生きるために
この土地を耕し 田をつくろう
ここには 水がない
あるのは 乾いた土地だけだ
それならば
水源のある 何処かの谷へ
水をもとめて ゆこう
....
どこに帰るのだろう
などとは問わない
会社帰りの雪道
星だろうと
街灯だろうと
導かないのならば
ただの明滅だ
一歩ごとに
すり減っていくのは
靴底ではなく
今日の賞味期限 ....
人が死ぬときにする 小さな音を
まねしながら このうたを うたえ
生き死にのリズムで このうたを
「きみは いきろ ぜったいにいきろ
まっくら闇
煌々とひかるのがきみのひとみだけ ....
しゃべる
スピードで
動く
言葉の
周縁に
暗黙が鎮座しています。
挑発がひしめいています。
約束は擦り減って
未来は流れていきます。
速く、 ....
針葉の青に誘われて わたしが森に這入ると
ここにも あそこにも 木が立っていて
空からくる陽を 受けとるために
木々は あちらこちらに 枝を伸ばして
地面に影を落としていた
一本の木 ....
降り始めた雪に濡れながら
翔る若葉よ
じゃれて 絡まり
互いに触れた体の温もりを
互いの手の平に感じただろう
彼等は 彼等は
何処へ行ったのだろう
....
険しい山の中の小さな一つの村
深い雪に閉ざされていた静寂の夜
ひとり道なき道を歩み会う人も無かった
ふと、見ると草庵がぽっんと建っていた。
古びた今にも壊れそう草庵だった
その窓から小さな光 ....
仕事帰りの人々がため息まじりにぞろぞろと
スクランブル交差点をわたり渋谷駅へと吸い込まれてゆく
18時20分
パチンコ玉なった僕は
ジグザグに人と人の間を{ルビ縫=ぬ}ってゆく
....
漆黒の夜の深さの悲しみは
子を失いし母親の写真に残る
組んだ手にあり
気丈なるその中に
微かにぶれる手のその写り
涙の写真
沖縄の小さな写真館
父ちゃん泣いた 母ちゃん泣いた
じいちゃん泣いた ばあちゃん泣いた
じいちゃん泣いた ばあちゃん泣いた
お前が泣くから みんなで泣いた
みんなの涙は海になる
どんどん溢れて肩まで来たら
....
時速80kmの車窓
次から次へと景色は流れる
ホームの階段をひたむきに駆け上がる
パリッ!とスーツの新人サラリーマン
けっつまずき 宙に浮く {ルビ縮=ちぢ}んだ4本の手足
車窓から消え ....
夢から紡いだ淡い期待を束ね
双の棒針で器用に操る
操る毎に淡い期待は確かな予兆に変わり
なまめかしく揺らめいて
蠢いて
少女は艶やかな女人となる
月の満ち欠けを赤い細布で数え
確 ....
一年の時
木を支え
この小さくも
大いなる
命を恵み
陰になり
ただひたむきに
生きている
一枚の葉の
つつましさ
最後を生きる
その時に
神の慈愛の
御手届く
赤に黄色に ....
飛騨の山
小さい流れが始まって
二つに分かれるひるが野の分水嶺
高みより湧出した一滴の水
また一つ、また一つ生まれ出でて
集まり創られてゆくこの銀の道
それが、ある一点で二つに別れてゆく
....
そのひとは
ひっそりと
木漏れ日の中にいた
何かおこりそうな空だこと。
そういえば、このあいだの鳥は、
どうしたかしら。
陽にひらめいて、
虹を食べて、
七色になって、
空へと消 ....
親父は定年退職し
母ちゃん専業主婦となり
息子のぼくは半人前
母ちゃん家計簿とにらめっこ
ばあちゃんが払う食費も1万ふえて
なんとかやりくりの日々であります
雨もりがあふれる床
....
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