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苔むして 夏の日足に 映える石
雨に濡れ紫陽花のため息ひとつ
思い出に指先染めて蛍草
ヒツジグサ夢の{ルビ水際=みぎわ}でまどろんで
ジャスミンの香りに偲ぶ「愛の通夜」
向日葵やひとり見送る日 ....
五月雨に映えて{ルビ清=すが}しや草緑
散歩道寝そべる蛇に邪魔をされ
木漏れ日に透かして緑の影模様
憂鬱な世界を壊せ青嵐
吹き荒れる緑に心さらわれて
....
引けば開く扉は押します開かぬよう
開かずの間あの鍵はもう壊れてます
ねえあなたこの車窓の絵は買えないの
蜂の顔同級生の小林さん
生活感だけを散らかし夏の庭
引けば開く扉と ....
ゆきどけの朝日へさえずる小鳥たち
目にいたい ふゆの青空 雪国の
広茂
鰯雲風に吹かれて空の旅
夜明け前流れ星を待っている
ひたひたと涙落つるる時雨かな
たそがれてあなたを想う空の色
星屑や宝石箱から零れ落ち
さようなら夕 ....