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新年
水槽に光の文字が泳ぐ
声に反応して
ランダムに現れるそれらを
熱心に掬う子どもたち
たまに
とてつもなく大きな言葉が
揺れているとも知らずに
あんたがおる所は
雨やろ?
うちがおる所は
綺麗すぎる青空やで
明日くらいには
あんたの所も晴れるんちゃう?
さびしくなんかないで
空は万国共通やもん
あんたとうち
空でつなが ....
洗面所の壁を
優雅に歩く
脚が一本
足りないなんて
誰にも
気づかれないように
「一度だけ
本当の恋がありまして
南天の実が
知っております」
本当の恋は一度だけでいい
むくわれなくても
そっと思い出す
たったひとつ ....
いったい君は
何を隠そうとしているの
隠そうとすればするほど
よけいにそこだけ目立ってしまう
サイドミラー、雨に濡れて。
綺麗に写らない、世界と僕。
拭くことできなくて、走り続ける。
雨がやむまで、晴れるまで。
ちょっと、走ろうか。
まっすぐに伸びるために揺れているの
どうか抑え付けないで
なだらかな野辺に{ルビ錨=いかり}をおろせば
緑色の秋がふりそそぐ
やわらかな雲の群れを辿れば
まぶたは風にまどろむ
じっとしていなければ
追いつけない季節
木漏れ日を新呼吸し ....
「強い子だから大丈夫だよね」
言われるたび弱さを隠すようになった
それは強さなのかな?
透明は恐ろしい
隠すことを拒むから
透明はずるい
隠さないふりをして
その深みに秘密
透明が重なってできた
その暗闇に
ドレミのドの
点々は
うまれたての涙です
ソラをめざして
シにかえる
はじまりとおわりの
涙です
誰かに裏切られた時の恐怖は
階段を踏み外した時の恐怖に似ている
何度
階段を踏み外しただろう
まぁ
全て私の足がいけないのだろうけど