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まだこれからも
咲いてゆくのだと思って
種を蒔く人がいる
空がこときれたように
雨がとつぜんやみ
後には思い出のように風が流れていた
大地もしっかりと
流れていて 古い
しきたりの中で ....
もうこれからは
咲かなくてもいいと思って
道を掃く人がいる
枯葉やら 紙吹雪
あるいは花びらと 花そのもの
それらで埋まった道を
木の箒で掃いていると
うっすらとにじんでゆくような
心 ....
私はもうすっかり
おかしな人になって
それからずいぶんになる
何しろいろいろあったり
あるいはなかったりしたのだから
無理もない
夜中に煙草が切れた
もういまやこれだけで
おかしな人と ....
罅割れた道の端に立つ
  この道は水分を欲している
左腕を伸ばし
拳の先で親指を立てる
すると 車が止まる
あるいは止まらない
二十世紀末という
古代でももっとも新しい時代
私はそのよ ....
{引用=(水無川は、神奈川県秦野市内を流れる水量の少ない川である)}

市内を流れる汚れた川
水量が少ないために
汚れがすぐに目立ってしまう
この冬はまだ 誰もがふるえて
大川橋を急ぎ足で ....
(何ひとつ書くことはない)
あなたの存在そのものが
詩であり 世界であるからだ

鰐が天井にはりついて僕等を見下ろしている

それもまた
ひとつの世界だ

あなたは僕の父親と同じ歳で ....
おまえがほんとうのことを口走る度に
鳥の翼から羽毛がぬけ落ちる
世界はやせ細り 目に見えるものすべてが
絵に描かれたものとして溶けてゆく
たとえば可哀相な妹が
人に知られぬ速度で後退する時
 ....
はなびーるさんの岡部淳太郎さんおすすめリスト(7)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
種を蒔く人- 岡部淳太 ...自由詩1212-8-16
道を掃く人- 岡部淳太 ...自由詩812-8-16
おかしな人- 岡部淳太 ...自由詩912-5-14
古代人のヒッチハイク- 岡部淳太 ...自由詩10*06-4-2
水無川- 岡部淳太 ...自由詩2*06-2-4
鰐と谷川俊太郎- 岡部淳太 ...自由詩5*06-1-15
世界の別名- 岡部淳太 ...自由詩33*05-12-19

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