すべてのおすすめ
とおくながれゆく
やすらぎの衣は
たしかに
あの日
おれたちが纏っていた日常
じゃれあいながら
風に泳ぐ魚たちは
たしかに
あの日の
おれたちの心
べた凪の
深い
もっ ....
最近
どうも
手が震える
大正十四年が
左手を見ながら
心配している
ので
病院行けば
で
にこにこ
して帰って来て
よかった
よかった
アル中じゃな ....
きゅうじつに
おもいっきり
あせをながし、
ふたりで
ろてんぶろにはいって、
あおぞらを
ぼんやりながめるのが
ぼくらは
とても
すきだった。
手術の失敗が
ぼくらの
すべ ....
妻の
右前頭葉が
どこかに
遊びに行き
脳幹が
ふて寝し
思いもしなかった
生活を
ぼくらは
送ることになって
毎日、毎日
何かを信じて
何かにすがるように
リハビリを続けて ....
ぱちぱちと
両目ウインク。
一級障害者になる
なんて
予測もつかず。
みち
ただ
生まれたままを
そのまんま
すくすく
生きてきて。
やあ
やあ
思いっきり
拘 ....
きょうお風呂だった?
ううん
だれか見舞いに来たの?
ううん
洗濯ネットに入れられた
バスタオルと着替え
サイドテーブルに置かれた
花束とメッセージ
〜そんな昔のことは ....
ご用納めの日
いつものように
あなたのいる病院に行く。
いつものように
ねじまがったスプーンを
ふたりで使い
あなたの口に
夢を届ける。
あのね
今日、ご用納め
な〜ん ....
ぼくが
ぱちぱちっと
まばたきすると
あなたも
ぱちぱちっと
まばたきをする
きぶんのいいときには
なんかいも
なんかいも
まばたきをする
あなたは
ウインクがにがてで
....
晩秋の青空に
黄金色の銀杏が舞う
どこまでも澄みきって
引き込まれそうな深淵
この時期
ぼくらは
いつも
ふたりで
深淵を見つめながら
露天風呂していた
のほほん
の ....
立てないけれど
座れないけど
折れ曲がったままの手だけれど
すり抜ける記憶だけれど
えむは
翼を
手に入れた
深い深い
カーマインの翼を
決して
折れない心を
....
目の前に
サムホールの油絵二点
右手が自由に動く時に
君が描いたものだ。
ひとつは
テーブルの上の4本の瓶
もうひとつは
テーブルの上の4個の洋梨
どちらも
ペインテイン ....
秋風に乗って
走れぼくらの自転車よ
きらめく日射しの中を
きみを乗せて走れ
秋風に乗って
走れきみの自転車よ
あの日のように
秋桜の咲き誇る道を
走れ走れ
埃まみれのぼくらの ....
ツクツクボウシが鳴き細り
ぼくらの夏が終わる
夢をいっぱいにはらんだ風が
尖ってゆく
去年のいまごろ
あなたが放してやった
あの魚が
黄金色に輝きながら
ぼくらの明日を
運ん ....
かちきな
ひとみが
うたうように
ささやくように
いうんだ
<おれもがんばる>
<おれもがんばる>
えむ
ふたりで
がんぱろな
....
てをつないで
ふたり
てをつないで
かわべのみちを
あるいているのだ
はしって
はしって
かたでいきして
きらきら
あせが
ひかっているのだ
ごくごく
ごくごく ....
ありがとう
ありがとう
中村先生
ありがとう
ありがとう
ありがとう
一パーセントに
当てていただき
ありがとう
ありがとう
ありがとう
ぼくの妖精を
壊してくれて、
....
たとえば
いま、ぼくらがみまわれている不幸とういうものの正体が
医者達のあきらかな過失により生じたと
ぼくらが
つよく
つよく
信じたとしても
それはそれとして
ただ
ただ
にこや ....
去年も
そして
一昨年も
きみらは
ふたり
よりそうように
ここに
咲いていた
去年
そして
一昨年
ぼくらも
ふたり
よりそうように
ここを
歩いていた
今年 ....
よいしょ
よいしょ
よいしょ
よいしょ
ちいさく
ちいさく
そよかぜが
きこえる
よいしょ
よいしょ
よいしょ
よいしょ
かぜが
ささやいている
....
爽やかな春風の中で
生まれたばかりの瞳して
あなたは聞くのです
今日は何日?
今何月?
何曜日?
くっきりと二重瞼を見開いて
あなたは僕を見つめるのです
ねえ、今何時?
お水飲み ....
ほんのりと
さくらいろに
咲くのです
やみをさまよい
どろにまみれ
それでも
トクトクトクトク
ちいさなこどうを
つづけてきた
ひまわりが
ほんのりと
さくらいろに
咲 ....
ベッドの上に君が
座った
誇らしげに
座った
理学療法士に
少しばかり
肩を支えられてではあったけれど
ベッドの上に君が
座った
中二のころの
強い瞳の
君が
座った
....
ぼくのひかりは
うでやはなやせいきを
たくさんのチューブでつながれ
えがおもなみだもことばも
みんなうばわれ
ひたいのほねをほぞんされたまま
やみのなかをさまよっている
やみのなかでたた ....
ぼくらの夏は
本田さんの庭の前の川淵に
どぼんと飛び込むことから始まる。
終業式のその日は
水泳パンツ持参で
通知票はほったらかしで
どぼんどぼんと
淵に飛び込む。
先生が
....
風に乗って越してきた次の日から
せっせ、せっせと
庭の草取りをはじめ
ごんごん、ごんごん
掘り起こして土作りをし、
次の次の日には
どこからか太陽の種を
仕入れてきて
ぱらぱらぱらぱら ....
荒木さんが
すっぽんが獲れたから
食べにおいでよ
と言うから
友達誘って
焼酎抱えて
出かけていった
すっぽんは
みごとに捌かれ
くつくつと
鍋の中でうまそうなすき焼き風味で
....
田圃に水が張られ
田植えもほとんど終わった。
これまでの鉄筋巣箱を捨て
庭付き一戸建て官舎に住んでいる。
職場まで車で5分
渋滞など無縁である。
田圃の上を
オハグロトンボがひよ ....
それは
いまにもきえいりそうに
ふわふわと
ぼくらのまえにあらわれ
ながれにおち
みずいろにひかりながら
ながされていったけれど
あのひ
だれにしられることもなく
ひ ....
バス停のベンチに
毎日のように
座り続ける男がいるんだ
超然と背筋を伸ばし
ただ一点だけを見つめ
来るはずのないバスを
ひたすら待っている
廃線になった
路線バスのベンチで
....
明るい娘たちだ
美知子が寝込んだ今日も
夕食を作り、洗濯をし
ピアノに行って
キャッキャと笑って
ぐっすり眠っている
小学六年の薫は
ふくらみはじめた胸を
ホイホイとかかえて笑 ....
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