すべてのおすすめ
あこがれは一番星の良きひかり
    いかにはかなく夜が来ようと


人は行くランボオの詩を胸にだき
    人いきれへと振り返りもせず


鳥は飛ぶただ啼きながらひたすらに
    ....
風が吹いている
この胸をくすぐるように
どこか時の蒼い彼方から
やわらかなレースのカーテンを抜けて
あなたは夜へと駆け出してゆく
裸のつま先で踊るピエレット
夜露に濡れた草を踏みしめて
 ....
深閑とした梨畑で
ひとり 蜂の羽音を聞いていた
風は足音もせず忍び寄り
あれは少女だったろうか
黒い瞳の きらめく星の


かすかにふるえるのは
僕の胸の鼓動なんだ
こんなにもうるさ ....
朝に
林檎がもがれる


それは
太陽になり
風になり
私のもとへとやって来る


おはよう
ごきげんいかが
と はにかんで


さくりと
歯に当てた
ほのかな酸味
 ....
(ヴァンサン)


窓の外に君の姿が見える
やわらかい草を裸の足裏で踏みしめて
君はこれから川へ泳ぎに行くという
もう透き通った水は冷たいというのに
君は白い歯を見せて
{ルビ銀葉=ぎ ....
燃える指くちびる含み恋をする
    サルビアそれは紅い吐息に


ひそやかな風にするどき心こそ
    コスモスふるう恋の歓び


咲き誇り頰よせたその黒百合に
   ....
ピアニストの繊細な指だ
白い鍵盤をすべってゆく
まるで水鳥の夢見る羽ばたきにも似た
あるいは
まだ見ぬ色彩を生み出す画家の
狂おしいまでにあざやかな指先
{ルビ天地=あめつち}を踊る風の曲 ....
西陽が傾いてゆく
風を追いかけながら
オレンジの雲は次第に細長く
なつかしい言葉をそっと隠していった


暮れなずむ野辺は一面の草海
薊の花の谷間に静か
蝶がいる 淡い光のような点が
 ....
恋はもう忘れました
涙はもう忘れました
夕暮れ 野辺にぽっちりと
紅く咲く花は火を燃したようで
その火に触れたら焼かれてしまう
心も指先も あの日の記憶もすべて


恋は忘れました
 ....
放課後のプールサイドに一人きり石を投げれば割れる太陽


まだ細い腕もいつかはヘラクレス鏡にうつる半裸少年


肝だめし墓場を歩く君とぼく怖くないよと結ぶゆびさき


花火あがる綿菓 ....
月の光がさしこんでいる
誰もいない部屋
片隅で
灰色猫が爪を研ぐ

テーブルの上には
開封されることのない手紙
赤い切手の消印は───

窓の外を
遠い汽笛が通り過ぎてゆく

 ....
佐野権太さんの石瀬琳々さんおすすめリスト(41)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
あこがれ- 石瀬琳々短歌15*06-10-27
白いドレスの夜- 石瀬琳々自由詩13*06-10-20
梨の真昼- 石瀬琳々自由詩11+*06-9-22
林檎の朝- 石瀬琳々自由詩17*06-9-18
ヴァンサン、夏の終わり- 石瀬琳々自由詩13*06-9-8
花言葉Ⅱ- 石瀬琳々短歌12*06-9-5
美しい指- 石瀬琳々自由詩18*06-8-19
はるかなるオーチャードグラス- 石瀬琳々自由詩9*06-8-11
恋忘れ草- 石瀬琳々自由詩12*06-8-4
【短歌祭参加作品】半裸少年- 石瀬琳々短歌24*06-7-21
真夜中の夢- 石瀬琳々自由詩10*06-7-15

Home 戻る 最新へ
1 2 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する