「僕」という種をまいた
ベンジャミン


「僕」という種をまいた

「僕」が芽を出して
 高く広く枝をのばし
 深く遠く根をはって

 空からも大地からも
 みんなを見守れるように願った


「僕」という種をまいた

「僕」は約束した
 辛いことも乗り越え
 力強く生きてゆこうと

 けれど
「僕」はいつか枯れてしまう

 だから
「僕」が残す
「僕」の種を

 何処かで見つけたら

「僕」に名前はいらないけれど
「僕」は種のままでは意味を持たないから

 何処か土の香りがする場所に
 何処か海が聞こえる場所に
 何処か空が近い場所に
 こっそりまいて呟いてほしい

「あなたに会えて良かった」と




             


自由詩 「僕」という種をまいた Copyright ベンジャミン 2007-02-09 15:24:30
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