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絡まった糸のようなものを丁寧に解いて
――空間は 夏だった
自分ひとりのおそろしさ
夏は くろい影だった

南国の道もまた
ここまで来ていて
その裏側で
家のベランダが
しっとりと悲 ....
損害 の 風葬 図りかねる 抉られた 骨髄 低く やはり 底付けに 硝酸 habitation 混入する 被疑者 サーモグラフィー中毒 乳酸 沈殿 蓬莱 reckless 土着民 剥ぎ取られた neg .... 言葉も朽ちる
地平の奥へと
ウランで造ったサイに乗れ

中は狭い
しかし未開の道よりは広い
肌に冷たい
しかし何を腐らす懸念も無い

肋骨の
はめ殺し窓はウランガラス製
焼け付く ....
小さなホールケーキ
真ん中に添えられたクッキーには
“パパ たんじょうび おめでとう”

みどり色のロウソクがひとつ
中ほどがポッキリ折れていて
むき出しの白い芯が
辛うじて身体を支えて ....
足に棘が刺さりました。

死に棘が刺さりました。

極めてパーソナルな問題から事の発端は始まります。

自分しか分かりません。死か分かりません。

箱をもらいました。底のない箱をもらい ....
一枚ずつはがれてゆく沙漠から抜け落ちる温度に眼の奥を洗われて、新しい沙漠が水上に浮かんでは映発する様をいくつもの角度から剪断する。つぶらな音覚が限りなく前転してゆくその先では泣くことになるだろう。手の .... かさばらないように トゲトゲしないように
そう言い聞かされた綿が覆いの向こうで体を

折っている
毎日同じ国旗を並べても忘れるならこうだ、
と言って どの顔も長方形で隠すことにしたら

 ....
【エチュード・プレパラート】
 
 
僕が僕未満であることを。

 ―地下鉄は…、都市の、どの部分なんだ?
  耳のちぎれたバニーガールだ
  それは血管だよ、僕がじゃあ、赤血球かい、
 ....
血の気の引いたホットドッグは鉛筆になるから
肘で挟めるんだそうだ

こちらへ倒れて来そうな灯台も
前歯で押し止めながら
挟む

喋り言葉の中に
こめかみの内側を上ってゆく汗が
自然に ....
Yシャツの上の蜂だと思ってたら
発泡スチロールの上のYシャツの上の蜂 だった

飲み込んだふりだけ巧くできて
それでもタイミングは迷うんだろう
ドアの下の隙間から アイスの棒を突き出すのはい ....
はまぐりが周りへ近づくのを止めようと
頑張ってしまったのかい

代わりに
熊みたいな牛の
黒い鼻先だけが囲むよ

見えなくても 嫌でも 
こっちへ
赤ちゃんが乗っています
世間でステッカーがはやりはじめると
和泉町3丁目にある零細ステッカー会社の社長はへそまがりだから
赤ちゃんだけ特別扱いするのはおかしい と言い出し
次のような亜種をどん ....
先生
唇が、
ふるえてしまいます。
電線に
飛行機雲が斜線して
雨上りが地上をうっすらとはいでいきます

あの日
陽炎で生まれました
わたし
浮遊する
夢みるからだで透けていき
 ....
震えの奥底から湧き上がる泡沫をとても羨んでいます/

月夜の波間にて、 浅い息継ぎを繰り返しながら仄かに輝く海を泳いでいます
何時も誰かの手を握っていないと浮かんではいられなくなってからというも ....
五十八の石段を
数え終わる頃には
湿気を帯た冷気が
まとわりつく

空が
見え隠れする木立は
小さな欲望が
うごめきを見せるよに
さわさわ
ざわざわと
社の片隅
秘密の場所にも ....
星は祈るように首をつって、空にぶら下がっていた。 光を灯すために
闇を撒き
         ただ、己の手をかざすはせずに
         悲しみをくずして笑うは廃墟よりもろく
闇を撒くために
光を灯し
         旋律、よもやう ....
つながっている

青く透けた日の光が
結晶となってふりそそぐ季節
つめたい雨は 灰となってしまった
存在している私
無くなる。

空から堕ちた秘密が
虚ろな視線で風を呼ぶ
無神経 ....
なめればにがく
すかせばしろい
ふれてつめたく
おちてしみいり
にじんでくろく
つめたくきえる
とぼけたいろは
ふくまぬほうに
まぢったやみを
かいすいいろで
ごまかしたてて
ぐ ....
鈍く輝く影を見ながら

鈍く輝く影を見ながら

私と影は

互いに五指を張り合わせ

ゆったりと

文字を綴る

keep

文字を綴る

out

その境に綴られ ....


うたが



   らら  ら

うたが聞こえる



静寂のみが記された

らら ら

  白紙のページに埋もれた夜に

   ....
ひどい青さの落果
そんなに思い出を失くしてどうするの?
夢をみてるのね
ゆるい傾斜の果樹園で
ひとつひとつの木には
実がふくらんでいて
それいぜんには
花が咲いていて
遠い

息が ....
月と同じ屋根に上って
一つずつ消える足跡を映さない
思いきり転がせた後
少し忘れて
どうでもいい声のせいで目が動くように
全部の地面を知ってた

ここから
汚い言葉を使って
隣の髪形 ....
寒気団の
肺の
永続的な空咳が聞こえる


どこに辿り着けば的中と呼ばれるのかを知らぬまま発射され
自ら目隠しをしたまま直走るガードレールのスピードが
白い


苦しげな吐き方しか ....
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