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気の早い春一番は 潮鳴りのようなおとを立て
町の上空をゆくのでした
「僕ら、結婚するかな」
彼が昨夜言ったことばが、洗っていたおさらから急に飛び出してきて、ひっこめるのに苦労しました。わたし ....
あなたの言葉半分を下さい
そうすれば
僕の詩は読めるものに
なるかもしれない
あなたの作る倍の時間は下さい
そうすれば
僕の詩はまともなものに
なるかもしれない
言葉の半分と
....
さよなら
とんがった優しさが
ふっている
まぶしいと言う
ブラインドの角度をさだめて
すきまから泳ぎだす朝
深く愛したものなど まだ
なかったけれど
よごれた壁の上に
....
きっとめをつむっているうちに
文字はしずかに
みみのよこを抜けて
みずうみのように
空の低い
やさしい墓地のように
まっさらにひろがってゆく だろう
とうめいなかいだんが ....
東京タワーの見える部屋がいい
と
誘ったのは
私
無心で
切れる筈のゲート
振り返ったのは
あなた
深くで
偽造された
感情で
重ねる
曖昧さで
単純だった
ひ ....