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老人ホームの廊下にぽつんと置かれた
老婆の横たわるリクライニング
動かない首をギブスで固定され
閉じた瞳を{ルビ顰=しか}め
入浴の順番を待つ
「{ルビ今日=こんにち}は」
....
ばおばぶ ばおばぶ
奇妙な形の樹木の名前を呟きながら
帰り道は足元しか見ないで大急ぎで帰る
ばおばぶ ばおばぶ
自動改札で定期が向こう側に吐き出されるよりも素早く
改札を通り抜け ....
空気
俺はきみに欲情したから
空気
きみは泣いたね
俺はALTA前で空気中なにもないところを抱き締めるよ
そしたらだれか
誰かとてもやさしい人が涙Vロートをさして天をみあげるから
あまぐ ....
父が酒乱で母に暴力を振るっていたのを憶えている
母は父に怯えていた
父はしらふの時には優しい人だったので俺としてはどっちやねん!という感じで安定した心地がなかった
熱が出ている時に父が甘えて ....
幹さんの詩のファンです、もしよかったらわたしの詩をみてください
という
要約すると、というようなメールがきたので
連絡をとって新宿で会うことになった
こういうメールがたまに来るようになったがた ....
毛を刈り取られた羊は
恥ずかしそうに
大地を駆けてゆく
服を剥ぎ取った人は
恥ずかしそうに
海に飛び込む
檻に入れられた
年老いたゴリラ
牢屋に入れられた
死刑囚
....
ふと
寂しくなったので
何か作ろうと思い台所に立つ
頂き物の里芋がたくさんあったので
とりあえずそいつを煮ることにして
丁寧に皮を剥いて丸くする
冷蔵庫に鶏の挽肉があった
さやい ....
切ってる
でも止められない。
切ってる
でもどんどんひどくなってく。
また切ってる
「励まし、ありがとう」って言葉・・・単なる言葉にすぎなかたった。
切ってる
....
人間看板のオヤジさんは
いつも胸を誇張させている
ヌードダンサーより
度胸もサービスも上だ
行く人来る人見せ放題
人間看板のオヤジさんには
いくつかの亜種がいる
胸に広告入りのゼッケ ....
やわらかな陽射しに顔を照らされて
ふと立ちどまる
それはあの人の腕の中と同じ温もりで
ぽっかりと空いた胸の空洞に気づく
子供みたいに駄々をこねて
一夜だけでいいからと縋ったの ....
あなたの感情の質量が
空間を歪ませて
多くのものを枯らせてしまうというのなら
あなたはただ一輪 そこにある
泥の水に咲いた花
世界が滅びても そこに 可憐に
周りを囲む者たちは ....
どうしたら君に届くんだろう
たとえば木洩れ日が
レースのカーテンに映した
まだら模様のさざめく言葉たち
秋の一日は
誰もがみんな一人ぼっちと云いながら
肩を寄せあって群れている ....
怪獣ギロンが現れた
地球防衛軍にはさっそく怪獣ギロン対策本部が設けられ
どうすれば怪獣ギロンを倒すことができるのか
各国代表によって様々な議論が取り交わされた
とにかく爆弾やミサイルの類を ....
#51
花の降る午後に
はちみつタンジェリンのどあめ
口ン中で転がしながら
歩いていきたいよ
コロラド州デンバーまで
#52
魚肉ソーセージだと思って
....
#41
吐瀉物は
パッ
と散って
花が咲くみたいに
路上に開いた
深夜
2時40分
#42
(大阪弁のイントネーションで)
ワタシの主食 ....
私の三匹の獏たちはすくすくと育って
立派な大人の獏になった
偏食も直って夢をバクバク食べるようになり
(三匹めの小さな獏はおバケの夢だけ苦手だったけど)
やがて彼らは巣立っ ....
あやつられる
わたしの背中に糸が生えている
よく見ると
足からも
腕からも
糸が生えていて
どうにかすると口がパクパクする
声だけが違う場所にあって
伝えることができない
こ ....
目醒めたのはたぶん
明けがた
蒼暗い部屋でぼんやりと
遠くに音色を聴いていた
やがて明らかになる
意識の中で
ああ、雨が
雨が歌っているのだと
....
真夜中の病室は
眠らぬ夜が吹き溜まり
ベッドを仕切るカーテンの網目から
そっと闇を窺っている
自由をいつか昔に失った体躯は
ケミカルなチューブの血管や食道が
もはや自らの一部と ....
むなしいって
云ったらいけない?
むなしいって
云ったら詩は終わり?
なんだよう 声だよう
冷たい風が騒いでいる
フランツ・カフカの骨は崩れている
むなしい
....
小さな舞台に幕が引かれる
けれどそれで終わりではなく
むしろまばらな拍手の後を
どうやって取り繕うか
それが今の問題
この日を闊歩する風が
肋骨の隙間を通り抜けて行く
....
未シギの不思議ンガム・チーク トゥ韻繰るバイシクル.√の泉に
積みキングダム、大陸カラノ 輪-ル℃ 夏傾いダ夜の偏ハピネス風
ラバー土奏×snowと3、ビーカーの思い出Ar 蜻蛉式のメイ邸サス
....
ぼうたかとび の
しなった 影に
のる
リュックには
ゆで卵と
つまみだされた時の ための
パラレル シュート
たかい たかい
ほら 棒のてっぺんに 両足をつけて
....
ぞくぞくするものだから
風邪をひいたように思ったのだけれど
なんだ
背中に離婚届が貼り付いていたのか
ついでだから
その上から婚姻届も貼ってしまおう
少し温かくなるかもしれない
それ ....
ことばは
すべて
呪文
だから
口から
音になって
発せられると同時に
指先から
文字になって
記されると同時に
それは
すべて
呪いになる
....
カーブミラーの中に
今日のエンディングが流れた
橙色のスクリーンにのぼってゆく
僕が発した言葉達
明日へ行けない言葉は
電線にひっかかって
澄み切った空を台無しにする
悔いることもできず ....
愛しい動物!
わたしの主人よ!
これから先何年経っても忘れない
そう思ったことさえ忘れてしまう
あなたもきっと忘れてしまった
お互いに忘れてもう二度と会えなかったら
死んでしまったことと同じ
わたしはきっと忘れない
血を ....
ぼくらはちきゅうをいっしゅうするのさ。ぼくらはちきゅうをいっしゅうするのさ。どこにいくのかって。そんなのしらないよ。ぼくらはちきゅうをいっしゅうするのさ。
夜闇の波に揺れて
わたしの海は広さをなくす
いったい何が不安なのかと
ひとつひとつ問いかけてくる波に
ひとつも答えることもなく
わたしはひとり揺れている
「あ」から ....
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