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お母さんがいます。
お父さんがいます。
兄が一人、妹が二人。
おじいちゃんも元気です。
おばあちゃんは私の心に生きています。
旦那がいます。
息子がいます。
友達 ....
よくわからない食べ物を食べ
よくわからないものを着て
よくわからないけれど生きている
よくわからない神仏を仰ぎ
よくわからない星を見つめる
よくわからないと叫び
よくわからないのに痛み
....
むかし
きみは白い服をきて
なにもいわないで立っていた
きみがはじめてことばを言った
とてもなぞめいていた
(わからないことばはとてもやさしい)
それからきみは
古本屋へ通う
そとは小 ....
何年かぶりに
虫歯がひどく痛む夜
でも
この感覚っていい感じって
生まれて初めて考える
ズキズキ歯痛に
全神経が集中するから
今夜は
久しぶりに
心の芯が痛まない
魂の一粒を失ったひ
そらがうみを吸収した
愛したそらも愛したうみも
愛の意味も変わり果てたのに
同じ青だけで泣いているのか
魂の一粒をうしなったひ
夜と朝とが入れ替わった
流れ いき ....
朝の空気がこんなにきれいだから
きみは生きていていい
:
神様が歌っているから
朝焼きたてのパンを買いに行こう
ラウラ、ラウラ、ラウディ
:
神様の歌はとてもシンプル
きみは生きていて ....
もし世界が 黙るのならば
わたしは うたおうとおもう
そのくらいしなければ わたしは
この世界では 生きていけない
もし目を瞑っているのに 気づいたならば
できるなら 目を開けたほうがい ....
半歩、まえをゆく
あなたは
鳥の巣を見たいという
つゆの前日
うすみどりのかぜが
わたしたちのあいだをゆききする
わたしの部屋へ ゆくみち
みみを澄ます
ゆるい
花火
....
不自由なりの自由を不自由というひとは
はやく
不自由になればいいとおもう
無責任なりの責任を無責任というひとは
逃げ出して
帰ってこなければいいとおもう
どうせひととして
為せ ....
ひとが死んだ
そして
その後にひとは
死んだひとをまたころしている
もう血も流れないから
ひとはなみだを流せないのか
そうやって
いちど死んだひとのいのちを
にどもさんども ....
母に
「おまえよりおとうとのほうがかわいい」と
言われた
ようやく10年後
家を出れた
わからなかった
母も人だということが
家族という塊を抜けたいま
いたいけれど わかる ....
夕暮れの空に飛行機が消えて4000秒後
あの大都会がすっぽりとあなたを飲み込んでしまった
あなたがそこに飛び込んだ瞬間
無関係だった街が暖色の光を帯びて心に浮かび上がり
あなたがそこに ....
おまえが
私を挫折させるものだとは
知らなかった
かつて
あの公園にいたおまえは
空と海と大地を知っていて
私は知らなかったから
だから
知りたかっただけ
もしまた会えるとき ....
使いにくそうなきつねが
やいやい話しかけてくる
どうやら自分の使い勝手の良さを
アピールしてるようだ
あんまりうるさいので
試しに使おうとしたら
「使うな!」と怒り出した
仕方が ....
去年の子猫は
もうおとなになった
おととい
二匹の子猫を
産んだ
小高い丘の
天文台の脇をすぎる
風のように
夢はいつでも
ゆっくり醒めてゆく
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