母と子
第2の地球
母に
「おまえよりおとうとのほうがかわいい」と
言われた
ようやく10年後
家を出れた
わからなかった
母も人だということが
家族という塊を抜けたいま
いたいけれど わかる
義務を果たさなければ権利を主張してはいけない
それが この社会の原則
わたしはきっと
「こども」の義務を 果たしていなかったんだとおもう
もっとこどもらしく
もっとこどもらしく
してあげればよかったんだ
いま
母はわざわざ
100円もしないお菓子を
何個か詰めて
送りつけてくる
送料のほうが高いんだから送らないでよと
こどもらしく邪険にありがとうと
いえるように
すべての母と子のために
もさもさと
おかしを食べ続ける
でも
どうしてか
こころの中に浮かぶ「母の像」は
あくまで母らしく
母そのもので
それは母がこっそりと
育てたものだったと
子でなく人として思う