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君の手はあまりに冷たいから
突然背中に触れられると
思わず身震いしてしまう
君はそんな僕の様子に
少しだけむくれてみせて
少しだけ拗ねた目をして
きっと笑ってくれている
離さ ....
傘を
返してほしい
名残りの雪は
綿のコートには冷たすぎて
ひとりで帰れる自信がないから
あの桜もようの紅い傘は
ほんとうはすこし空々しいから
好きではないのだけれど
....
君の言う単なる恋愛に
僕は幾度となく涙を流してきた
君の言う単なる恋愛に
僕は幾度となく命をかけてきた
なぜなら
そこに世界で一番大切な真実があるから
....
ふと思いついて、昔書いた詩を投稿してみま
す。一九九〇年から一九九四年ぐらいまでに
書いたものを、自分の中では「初期詩篇」と
呼んでいます(それ以前に書い ....
もしもボクが
プリンくらいの柔らかさで
アナタを受け止めようとしたら
アナタの哀しみのトゲトゲに
貫かれてしまうから
ましゅまろくらいの
柔らかさで
居たいと ....
正月に日本酒を飲みながら詩を書いていたら
火曜日に詩を教えているキムからskymailがきた
「幹さんやばいっす、オレ犯罪犯しちゃいそうです」
『ちゃんと詳しく説明してミソ』
「ちんこ ....
『新着メール一件』
やっと来た返信メール
少し時間をあけて私も返信
そこには少しのイヂワルを込めて
そこには沢山のダイスキを込めて
手すり
よく冷えているので
天からの雪
形のままに
地面
よく冷えているので
やがては雪
透き通った氷の柱に
どこに
人語を介する
なにが
人語を解する
中谷ダイア ....
冷えた夜が
低地を這っている
これもまたもうひとつの
忘れられた夜であろうか
――あの人は
貴重な生を召し上がりました
何ひとつ 言い残すことはなく
混沌の角度で経験は薄まってゆく
....
たとえば
カーテン越しの陽だまりに
できるだけぽつんと
たよりなく座ってみる
時計の針の
こちこちという音だけが
胸にひびくように
明るみの中で目をとじる
いつの日かお ....
それは綺麗な海岸の砂
流されて戻っていくうちに
綺麗になったような
そんな色をしている
こんな所に愚痴を落としたら
明日には綺麗になるのだろうか
そんな愚かな考えは波に漂う
それ ....
ここ最近の寒さに慣れ
僕の街では冬の華を
見ることないままに
この時期を終えてしまう
テレビでは{ルビ冬華=ふゆばな}のニュース
まだ僕の街には咲かない
一粒の種でも分けて欲しい
そ ....
君と僕とを繋ぐのは
見えない手錠の様なもの
かなり前から付けていた様で
もう、付けている事すら忘れていた
最近気づいたんだ
少し右腕が軽くなっていることに
歩く度に右手が自由なことを
....
風通し悪い部屋
北窓の部屋
たばこで煙ってる部屋
ぼくが途方にくれてる部屋
新しいベッドがきた
寝心地はいい
なんでも人や物のせいにすることは止めた
時間をま ....
鎌倉に住む私は
古びた寺の庭園の水の滴で岩を掘る
{ルビ水琴窟=すいきんくつ}の{ルビ音=ね}を忘れ
日々グレーのスーツに身をまとい
コンクリートの街並みに染まる石像群の一人として
朝の川の ....
私はとても小さいので
海を見れば
海でいっぱいになってしまう
私はとても小さいので
空を見れば
空でいっぱいになってしまう
私はとても小さいので
風を匂えば
風で ....
僕らは今日も一緒に歌った
だけどそれは永遠には続かない
今年はここでみんなで歌えた
来年も全員がここにいるのか
ほんとうは誰も知らないんだ
この星は汚れゆき
戦争は終わらない
歌い終 ....
冷たい北風に煽られ
凍える霙に打たれても
白樫の木は黙して耐え抜く
容赦ない吹雪の最中
総てを失う事の恐ろしさに
怯えてはならない
大地深く張り巡らした根の先より
明日への滋養を ....
12月の夕暮れに注ぐ
眩しいだけの陽光が
白壁に弾かれて
僕の目に付き刺さる
自然に流れる涙には
何の感情も込もってない
急いでいる訳じゃなく
探している訳じゃなく
道の端にう ....
街路樹にへばりついた電飾を見て
綺麗だなと思う心と同じほど
毒々しいと思う心もあって
静寂の午後11時
肩に仕事を抱えつつ
終電に遅れないように
少し駆け
少し歩いて
立ち ....
ねこねこは
きらきらのほしがまいおりたまちのなかで
うきあしだってくるざっとうをみおろすのが
すき
ほわいとくりすます
という ひびきが
すき
それは
あのひとの
てのひらに
にて ....
雨雪が相争う強風の中
いつしか雪が雨を駆逐し
束の間に風景を変貌させていく
滅多に締める事など無い
ジャケットのボタンを閉じると
吐息さえ掻き消す寒風に抗おうと
出来るだけ前を見ないよ ....
誰かしらは闇と形容し
誰かしらは安らぎと語る
晒された精神が彷徨う世界
ただ微かに言える事
微笑みの世界に取り残され
川原に積み上げた石を眺めた
泣きじゃくる童に道を尋ねる
顔も向け ....
かけるのは
ボン ・ ジョヴィ
はしる 移動する
くるまの 中で
途方もなく長い距離を、長い時間をかけて
鳥 ....
おまえがほんとうのことを口走る度に
鳥の翼から羽毛がぬけ落ちる
世界はやせ細り 目に見えるものすべてが
絵に描かれたものとして溶けてゆく
たとえば可哀相な妹が
人に知られぬ速度で後退する時
....
ある日突然神様が現れ、僕にストレスをプレゼントしようといった。
ありがとう神様。
でも、神様。僕は知っている。あなたに、罪はないことを。
(2004)
酷く薄暗い部屋の中
退屈しのぎに抱きあって
見つめ合う儚げな視線が映す
明日とか言う流れの先に
僕達は二人でいられるかな
重ねた悲しみを互いに背負って
形の無い幸福を夢見ても
掌 ....
どんな短い言葉にも
裏に潜んだ思いを読んで
一人憂鬱な帰り道
僕らの間に一つでも
信じれる絆があるとして
それは声とか温もりだけでなく
時に絵文字であったりしてさ
今日何度目かポ ....
冷め切った路地に
泡沫の玩具が舞って
寒さ堪えて歩く僕の
肩に弾けて消えていった
子供達の無邪気さと
自分の卑しさとを比べ
小さく息を吐いて
無造作に首を振る
涙が出た訳じゃな ....
僕の肩に とまった鳩は
「死にたい」と一言だけ漏らして眠りについた
僕はどうすることもできずに
鳩の頭を撫でて、またウォッカを口にした
思いのほか、熱く、滲んだ。
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