すべてのおすすめ
冷房の効いた電車の中
一人扇子を仰ぐ
今日は暑すぎる
虫の動きが速い
耳ではシンセドラムが
正確なリズムを打つ。
次は国分寺出口は右側
おばさんが押して出る
今度はラップがなり ....
雨よ降れ
風よ吹け
雷がなり
眠る妖精
拳を上げ
根性出し
底力見せ
男の意地
元気愉快
緊急事態
緊張状態
放心状態
宝探しをしようか
長い影の伸びる帰り道
長い髪を夏風に遊ばせて君は
少し目を細める微笑みで
子供みたいな提案をした
その話の続きはなく
会話はぷつりと途切れて
また君は楽しそうに風の中を ....
大きなガラス扉
日焼けしたブラインド
貸店舗、の白い貼り紙
コンビニになりきれなかった
角の、たなか屋
殺風景な店先のコンクリートには
ただひとつ
小さな郵便ポストが生えたまま
舌 ....
おばちゃんに虐められて
頭を下げる
頭を下げるくらい
なんて事はない。
怒らせないように
黙って聞き
怒らせないように
ものを言う。
侮辱と屈辱の中
自分を低め
相手を利用 ....
つるかわ
つり革の下には
振動する幽霊の手が
ぶらぶらしているよと
嫁のもらい手がないよと
節だらけの拳を振る
明治生まれの大伯母に
呼ばれたような気がして
リノリウムの床を
....
今朝、校舎の前で
無口な少女を見た
目が合うと
少しだけ笑って
そのまま自転車の
静かなスピードで
追い越してった、八時十五分。
無口な少女の
名前を知らない、
先生が出席をとっ ....
ヘロー、私がLockTheKey
今日スゲェ恐怖がW.Cをノックするから鍵を掛けろ
それは陽炎か幻覚だろうが貴様にハローと呼び掛ける
答えるな、肩へルナティックな彼方からの光が降りて
まる ....
月光を浴びて生まれた一人の少女
その唇から
言葉がツタのように伸びてからまり
あの家を覆ったの
家の中には
青白い顔をした少年が一人
小さな椅子に座っていて
コーヒーミルを回していた ....
暴力的なラフランス
狂ってごらんなさい
もともと腐った友達と
一センチの三枚刃
氷砕いて乳首の前でひるんだ夕べ
焦げつく匂いが屋敷の合図
ジュマペール黒のJ
歌っていたら泡吹いて倒 ....
の丘に
咲いたダリアの一輪の
唇の頬のうなじの太ももの蹄鉄の
隠された場所の
の丘に
びっしりと生えそろう数億のダリアの一輪の
唇の頬のうなじの太ももの
暴かれた場所の
の丘
....
ノイズを吸って吐いて
ため息を生産している
死ぬ間際のカートの声を聞いて
ほんの少し救われたけれど
まだまだ足りないんだ
枯れ葉がおれの前を舞って
ナイフの様に突き刺そうとする
右胸 ....
夜に、わたしは
はしたないほど口を開けますから
どうぞそこから私の中に
入っておいでなさい
内側から私を喰い尽くして
やがて空洞になった私の躰は
それでもまだぬるま湯ほ ....
笑ってたんだ
笑ってたんだ
きっと
あったかい土に抱かれて
優しい雨に愛されて
まだ見ぬ地上の風に憧れて
君たち 泥んこぼうず達は
笑って
幸せに
暮らしてたんだ
そして 素直に育 ....
そこでは ぼく と あなた と だけ だった
ふたり... 手のひらの 傷穴 を 帰って いったのは
日がな 窓の眼の まま いっぱいに
高まり 止んでは ....
緑が目にしみます
僕は
捨てなければならぬものを
いくつも背負い込んでは
その捨て場に
迷っています
そのうえ
次から次へと
捨てたくなってしまうものが
増えてしまい
捨てることも ....
ぼくは詩を書きたい
たとえ自分を見失ったとしても
進むべき道は必ず存在する
今日もまた
朝の散歩をしていると
静寂に出会いました
林の中
光をも遮り
薄暗いその空間は ....
{引用= あのひとの記憶がしずむ海は、いつしか防砂林で見えなくなった
越えられない高さに、すこし安心した}
砂が、降って
深く深く沈んで 底まで
皮膚 ....
それは言葉にならない思いであった
母は母であった
息子は息子であった
いずれは離れ離れになる定めだった
『ふたりは生き別れる』
それは別段、不幸なことでもなく
いつまでも悔恨に捕らわれるこ ....
静寂の水面に一石を投ずれば
波紋がゆらり、影が波立つ
月もまた冷ややかな横顔を
一層歪めて泣き笑いする
この橋の名を面影橋と人は呼ぶ
月明かりの下で我が影を
水面に映せば見えるとい ....
美術の先生が
黒と白だけは
どんなに絵の具を混ぜても
作り出せないのだと言っていた
そんな貴重な色の絵の具は
どんな材料で作られ
どこの国の工場から送られてくるのだろうかと
想像をめ ....
『グミ・チョコレート・パイン』をしよう
ジャンケン・ポイ
グ・ミ
ぼくは早くあがりたいがために
チョキを出して 負けた
きみは二歩進む
ぼくはこのままで
ジャンケン・ポイ ....
春に降る雨で
体のかたすみが
ざりざりです
暗闇に体を置いて
ぬくもりだけに委ねれば
心の対流で
とりもどす
ほんとうのすがたで
触れようと指を伸ばすと ....
学校は不思議
ワックスをかけてみがかれた木の床と
コンクリートの壁
誰も居ないときはすごく寂しいところなのに
そこに私たちがひしめいて笑いあうと
途端に学校が息をし始める
卒業を前にし ....
星が刺さるほどに冴え返って
赤く爛れた月がうずくまっている
砂利を踏む音だけが
近い
門構えを超えると
冷たい墓石の間から
卒塔婆の墨字が倒れかかる
かねてか ....
僕はいま
サンサンに照りつける
太陽をよけるため
大きな木の下で
本を黙々と読んでいる
自分がこの世界にいる
ころころと気持ちがいい緩い風が吹き
さらさらと近 ....
私には孤独がない
あなたが
孤独と呼ぶものは
ただ
声を求めてる
くちびる 重ねても
あなたの孤独は変わらない
私には孤独がない
私はもう
ここにはいない
あなたが ....
息を
わたしたちは潜めて
東の空の彼方から
春がやって来るのを
待ち侘びていた
夜明けに
うすい紫の風が
わたしたちの
頭の上を撫でながら
通り抜けてゆくとき ....
普段は意識しない夕焼けを
今日は眺めて見たいと思った
前に見たのを覚えていないからか
最後に見た日より凄く綺麗だった気がする
紅い閃光の間を割るように白い雲
少し目が痛かった
なぜだか ....
夜電気もつけない部屋で
ぼくはベットの上で体育座りして
自分の膝を抱えて
泣いていた
何に泣いているのか
わからない
隣でなっている
ガラスでできた
も ....
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