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38.6度の熱で
静かにベッドで横になってたら
アトムやら
太宰治やら
はちべえなんかが

おでこの辺りで
なにやら難しい話しをしてた

その顔は
どれも真剣で

声をかけよう ....
キミが ボクの人差し指を
折れそうな 両手で
必死に
必死に
にぎるから

ボクの
折れそうな 心は
やっぱり 折れて しまった


キミのバイバイと
ボクのバイバイ

違 ....
部屋に突然インドがやって来て
勝手にインダス川を氾濫させるものだから
部屋は水浸しになるし
大切にとって置いたものも
すべて流されてしまった
これは何の冗談だ、と
食って掛かっては ....
あやつられる
わたしの背中に糸が生えている
よく見ると
足からも
腕からも
糸が生えていて
どうにかすると口がパクパクする
声だけが違う場所にあって
伝えることができない


こ ....
今日 道端で詩人が死んだ

一切の言葉が許されない
循環する空気が身体を冷やす
温もりの欠片も無い肉塊
言葉の澱みが鼓動を止める

今日 道端で詩人が死んだ

寒さに震えていた訳でな ....
{引用=〜スヌーピーの漫画に出てくる、黒髪の少女に〜 }


ルーシィ
わたしいま
あなたについて考えている

ルーシィ
わがままで
高慢ちきで
知ったかぶりで騒々しくて
野球だ ....
ぞくぞくするものだから
風邪をひいたように思ったのだけれど
なんだ
背中に離婚届が貼り付いていたのか
ついでだから
その上から婚姻届も貼ってしまおう
少し温かくなるかもしれない

それ ....
待ち合わせに遅れそうな時
メールひとつで済ませてしまう
嘘っぱちの言い訳も
おたがいの顔が見えないから
罪の意識を感じずに誤魔化せる


どこへ行ったか
寂しがり屋の待ちぼうけ

 ....
   
   冬の空に
   オリオンが南中する頃
   ベテルギウスは涙を零して
   名前が呼ばれるのを待っている


   冬の空の、暗い、
   まるで何も存在しないかのように ....
ガラガラガラ

派手な音を立てて壁は崩れました


パラパラパラ

小さな音を立てて星達は降ってきました


カラカラカラ

パンドラの箱を振れば云いました


サラサラ ....
インターホンが壊れてしまって
不在票ばかり、溜まってゆく
ドアをノックする手を
誰も持たない


再配達を
今日は頼んだから、
夕暮れにつづく時刻に
言い訳を抱えて
ドアの内側に寄 ....
目に見えない時を読めるようになったのは
あのひとと次の約束をするためだった


等間隔にきざまれた目もりを
瞬間の目印にして
大きな流れの中でも
わたしたちがまた、手をとりあえるよう ....
暗闇に咲く白い花は風に散り {ルビ蝶=ちょう}の羽となり

  ゆるやかに宙を舞い

残された葉の一枚も一本の細い茎を離れ

  ひらひらと

豪雨の過ぎた激しい川の流れに飲み込まれて ....
空が灰色クレヨンの日
風邪をひいた詩人はゆめゆめ思った


詩人たるもの
移ろう季節を誰より早く
探して言葉にしなくちゃいけない


詩人たるもの
少しはむつかしい漢字くらい
す ....
幼い頃のひとり遊びの記憶は
影となって私に纏わり
誰かを愛そうとするたびに
耳元で呪文を投げかける

楓の色づく様を
薄の頭をゆらす様を
人と分かち合うやすらぎを ....
君は寝た振りが得意
わかっていてもウッカリ騙され
今朝もゴミ捨ては僕の役目


君は大人だから
分をわきまえているよね
僕はと言えば歳はくっても
燃える恋と燃えない恋の分別さえ
未だ ....
ツリーのてっぺんの星を100万個にひとつ、ほんとうに願いがかなうものに取りかえる仕事です。


王子様の先回りをして解毒剤を吹き矢で姫の首筋に突き刺す仕事です。


日々の生活のアクセ ....
にせウルトラマン


ニセアカシア
にせほたる
似せた裏側には
鬼が出るか蛇が出るか
分からないのが人生
3分間待てないのが餓鬼
ウルトラマンに憧れて
3分前に蓋を開け
麺が ....
掘れ! 掘れ! 掘っちまえ! 地の果て見えるまで
掘るんだ 掘り続けるんだ この際墓穴で構わない

お前が言った不満もろとも 俺が抱えた怒りもついでに
掘った穴の底深くに 響き渡るまでぇー
 ....
ふかみどり
ふかみどり
言葉を手わたし
笑むみどり


腕の輪まるく
伝うしずく
胸をすぎる
こがねの尾


風のなかをふり向けば
たくさんの声が消えてゆく
 ....
剥きにくい茹でたまごの殻を
無理やり剥いてやる


ボロボロに崩れた茹でたまごは
僕らの関係と一緒だな
つるんとした君の頬を愛したのは
遠い昔のお伽話
だから
「もう秋だなあ」なんて ....
倒れて佇む静かな兵士
鼓動も呼吸も途切れたままで
過酷な大地の腐敗は進む

スレンダーボディが自慢だった若い兵士は
その面影を微塵も残さなかった
生きていた証さえ残せなかった
彼と一緒に ....
さぼてんがいっぴき
今日も室外機の上で
びやぁぁぁぁぁんって
音に同調しながら
ふるえてる

ええ天気やのになぁ
やっぱあれかな
砂礫の放つ熱気とちがって
ひとの放つ熱気は
きみに ....
一夜遅れで19の十五夜 だんごをぱくり いい気分
照れ屋な月は もじもじしながら 雲の隙間に逃げ込んだけど
大丈夫、今日は風が強いんだから。

ぴょこる ぴょこる ぴょこる

月の真ん中に ....
祈りの数だけ神がいて
祈りの数だけ願いがある


何故人は祈るのか
恐れおののく、その先の
抗いきれぬ力に前を遮られ
溜め息さえも躊躇して


祈りの数だけ花が咲き
手向けた花の ....
たぷたぷ揺れて


君は遊ぶ


シャンプーは手の届くところで
夢と現実を隔てる


掌で掬う仕草に夢はゆらゆら
バスタブの愛は緩やかに萌えて


外は季節外れの木枯らし
 ....
しどけない姿で
君はうっすらと頬を染め
あられもない姿で
君は左手を背もたれに預ける

横顔はうつらうつら
淫靡な夢に眼差しは宙を漂い
噎せ返る密林のざわめきは
VooDooの魔笛
 ....
満月とは中秋の名月
ゆらゆら揺れる水面にて
時と戯れる


満月とは君の面影
苦しい時も笑顔を絶やさず
額の汗をそっと拭う


僕は忘れたりしないよ
君の優しさを


君は ....
さなぎの、笹食べているのを見て
いると暗澹とする。ささ、さあ、
こちらにおいで、さなぎ。どうせ
おまえは動けないのだから、せめ
て、こんな年寄りのところまで、
這いずり回って、混沌のようにや ....
あまがえる
あまがえる
こんな午後にはあまがえる
とろりとおひさま
くびすじからせなかまで膜をかぶって
どこにも行かれない午後
あまがえる
 
あまがえる
あまがえる
こんな午 ....
けんごさんの自由詩おすすめリスト(162)
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