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質に入れたはずの女房が
ある日ひょっこり帰ってきた
質流れでもしたのだろうか
おかえりというと
ただいまもいわず
お茶だけ
のひとことで
台所に立ちお湯をわかしはじめる
そのうしろすが ....
話に尾ひれがついて
泳ぎだす速度で
泳ぎだす
身体にあたると少し痛く
自分の血はまだ赤い

眠たい目を擦りながら
恋人のだらしない口元にキスして
唇から溢れたものは
唇に戻る ....
朝ひとりで目覚めると
皮肉なことに勃起に気がつく
妻のいないベッドのなかで

夢のなかでは
まぼろしのような幼い踝に
わたしはひざまずいて舌をはわせていた

だけどあの少女は
むかし ....
writeと書いてあるボタンを押したら
全部消えて真っ白になった
よく見るとwriteではなくwhiteだった

なるほどそういうことだったのか
つまり世界はそういうふうにできていて
ひと ....
インターホンが壊れてしまって
不在票ばかり、溜まってゆく
ドアをノックする手を
誰も持たない


再配達を
今日は頼んだから、
夕暮れにつづく時刻に
言い訳を抱えて
ドアの内側に寄 ....
鹿になりたや
そして逃げたや
小さな紅葉の降る頃に
紅いその葉をなお紅く

鹿になりたや
そして逢いたや
いつかの昔にかいまみた
綺麗なひとみの山のひと

鹿になりたや
そして越 ....
「私はあなたがいなくなってから
 優しく素直な人間になりたいと、
 強く誓って、今まで生きてきました。
 あれから、もう三年が経ち、
 なんだかんだがありました。
 人の意見に左右されながら ....
背筋を伸ばして歩くことが難しい世の中。

−あら、わたしったら、世間のせいにして。

探し物が見つからないから、
困ってしまう。
ミルクティーが精神安定剤になってしまうようではいけないと思 ....
あなたに雨がふればいい
ブラウスが

やわらかく貼りついて
疎ましく思えばいい


あなたに雨がふればいい
ことばが
あなたを脱げばいい


小さな偶然を
言 ....
あの日を境に
世界は明らかに下り坂に入ったんだ
たとえばさ

えらい人が逮捕される時ってあるでしょう?
あれね
時代劇の捕り物みたいに、突然いっせいに取り囲むってことは
実は ....
夕方は肌色
わたしは溶けて行く
空気が肌色になって行く
境界が見えなくなる
そして夜になって
影も形も無くなる
「ここから飛び降りるって言ったらどうする?」
「やれやれ。気まぐれなお姫さまだ」
「なによ、その棒読みのセリフは」
「感情がこもっていないんだよ」
「あのねー」
 
 
 屋上、 ....
僕は奈良公園で鹿の角をにぎっていた


同じころ

父は帰りの電車のつり革をにぎり
母はスーパーで安売りの大根をにぎり
妹はベッドの上で携帯電話をにぎっていた

隣の部屋の夫 ....
ふと声をかけてみた
その外国人は
「ロマンスカー?」
と言って
少し笑った
新宿駅西口で

そうなんですよ日本には
ロマンスカーがあるんです
ロマンスカーはみんなを乗せて
ロマンス ....
今も覚えてる。
素っ気ない茶封筒。
ボールペンで書かれた名前。

八枚と、一枚と、三枚。
四枚と、二枚。

一ヶ月はぺらぺらしていた。

時間について考えた。 ....
午前10時の光が

この星の

この国の

この街角の

小さな女の子を照らしています。


午前10時の風が

この星の

この空の下の

このおもちゃ屋さんの
 ....
うだるような暑さ
浮かぶ汗は彼の人を飾るオパール
薄いガーゼのシャツ
肢体を包んでいる
あまい匂い
バニラアイスみたいな
舐めたくなるような

誰にでもこんなことするの

わたし ....
  あなたが海を歌うとき
  わたしの瞳は波になる
  愛していたと
  告げる言葉が悲しくて
  静かに揺れる波になる


  あなたが空を歌うとき
  わたしの胸は波になる ....
仕事中の脳味噌はとてもヒマだ。
だからビスを締めながらあたしは考える。

一日に24時間あるわけで、A勤かB勤の場合は8時間拘束、
AB勤は16時間拘束、C勤かD勤のときは12時間拘束。
通 ....
見上げている空にも
今ごろ風が吹いているのでしょうか
雲がゆっくりと
あるいは形を変えて

あのやがては消えていくものたちのように
わたしももっと強くなりたい
俺は「ありがとう」と言った。

朝起きてからずっと目の焦点が合わなくて俺は窓を開けて空は高曇りで
ノーテンキに雀が鳴いていて医者に電話をかけたら予約がいっぱいでど
うしてくれるんだ何か起きたら ....
僕は世界の広さに悩み
君は夏の陽射しに笑った
アスファルトの熱と 急な坂道
駆けていったのは 子供の頃の僕たちで


坂の上では君が待っている
麦わら帽子はいつだって風に飛ばされて
 ....
眠れない夜なら
突然に消えてしまうことにしましょう
ぼくらは明日には
トラックに轢かれてしまうのです


それは
きっとどこにあるか分からなくなった記憶より先に
肌からにじみ あふれ出 ....
 いつかぼくがとおくはなれて
 きみのほほをながれるそのしずくを
 このてでぬぐふことができなくなつても

 いつかぼくがとおくはなれて
 さむさにふるへるきみのてあしに
 くちづけて ....
夕陽の、
あの世界の全てを焦がしかねない熱量を持つ
直情的な眼差しを
一身に受け止めるたおやかな雲
火傷を恐がらずただ信じて手を広げ
柔らかな身体で抱き止めるその姿が
僕を魅了してならない ....
街を歩いています。
雨が落ちて来ました。
雨が落ちて来たのに、傘を持っていません。
傘を持っていない人は、雨に濡れてしまいます。
雨に濡れてしまったら、家に入れてもらえません。
家に入れても ....
     花のひとひらが
     枯れ葉を追っておちる様に
     それはとても自然なことだよと
     あなたは言った

     白いカーテンが窓の外へとたなびくのに誘われて
 ....
{引用=どう考えても、俺なんかに運命の人を近づける力があるように思えない。}

運命の赤い糸は、それ以来自信喪失になっちゃって
ずっと姿を隠しているんだとさ。
       八月二十七日 午前三時


     ひっそりと聞こえる祭囃子や
     遠くであがった花火に
     いつでも僕らの世界は置き去りだった
     それでも ....
  ++栄 光++


    栄光が終わった日
    あなたはそれを
    さっさとアルバムに貼り付け
    グラス片手にひと晩眺めて
    あとは戸棚に置いたっきり
    ....
コトリさんの自由詩おすすめリスト(99)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
春の人工衛星- ZUZU自由詩21+05-12-17
- たもつ自由詩1405-11-2
朝立ち- ZUZU自由詩7+05-10-22
白い世界- 大覚アキ ...自由詩605-10-21
過去の届く午後- 望月 ゆ ...自由詩40*05-10-17
鹿と女- 紫乃自由詩7*05-10-4
午前4時の暗い中に、私が自分の弱さを認めていく過程- くれいじ ...自由詩105-9-25
女の子日和- 浅野 す ...自由詩5*05-9-20
あなたに雨がふればいい- umineko自由詩12*05-9-19
sky- umineko自由詩27+*05-9-10
肌色の夕方- チアーヌ自由詩505-9-2
やきそばパンはいかにしてなくなり、夏はどのように始まったか- Monk自由詩29*05-8-31
僕は奈良公園で鹿の角をにぎっていた- Monk自由詩19+05-8-25
ロマンスカーの幽霊- チアーヌ自由詩25*05-8-22
「_十五歳、夏。_」- PULL.自由詩8*05-8-16
かざぐるま- ブルース ...自由詩4*05-8-15
硝煙- とうどう ...自由詩21*05-8-12
波になる- 嘉野千尋自由詩17*05-8-10
ビスを締める。- 佐々宝砂自由詩11*05-8-2
童話(雲)- たもつ自由詩1005-8-1
踏みのめらかし踏みすべり- 佐々宝砂自由詩7*05-8-1
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喪失の、はるか前に- nm6自由詩405-7-28
いつかたびだつひのために_いまかいたてがみ- 紫乃自由詩5*05-7-27
浮島- 椎名乃逢自由詩5*05-7-25
雨上がり、昼下がり、水色時- 感人自由詩4*05-7-24
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運命の赤い糸- くしゃみ自由詩3*05-7-24
追想と花火- 紫乃自由詩11*05-7-23
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