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{引用=わたしのからだが
一秒ずつ 剥がれて
浴槽の底に積み重なる
さわると
あかるい蛍光灯のように
熱く ひかり
はじかれたとおもうと
くたり と しおれた}
彼のみぎは ....
空の真下に
わたしが横たわっていて
それを軸として
せかいは逆転する
からだは
しょうじきに
毎晩 順に
剥がれていくのに
すきまは
どこまでも積み重なっていく
輪郭ばかり ....
ひとつ
息を吸うたびに
くうきが 肺のそこに届く
吐き出せば
からだは
音の波をかきわけて
くるくると
上に 昇るのだ
追いかけていく先の
もっと上のほうにある
空の高 ....
ゆうぐれが
ひとつずつ死んでいく
さよなら、それでも
また明日
会えるといい。
と
なんども手をふる
彼は
東ばかりを見る
橙の
奥 ふかく
つめたく
や ....
そらが
投げかける光を
見なかった
膨らんだ
ほおぼねのあたり
あかく火照る
夏の痣がひりひりと
ひりひりと
うずいて
コンロのうえ
やかんから溢れる
湯気が
おも ....
夕刻
おとこまさりの包丁裁きで
頭を落として
からだを開いた
中骨を
刃先でなぞる
膜を破る
洗い 流す
ぴりぴりとあかい
赤は
どこまでも
泣き止まない
鍋の底で ....
忘れてしまえるくらい
に だけ
触れてほしい耳たぶの
熱にも
きちんと そよぐ
こうへいな風は
そこここにおとずれて
猫の鈴や
窓を
鳴らし
合図をする
カーテンは
ふ と ....