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夜明け前の道を 
自らの高鳴る鼓動を胸に秘め
歩いていく 

川に架けられた橋をわたり 
駅の改札を抜けて 
無人の列車に乗り込む 

腰掛けると 
発車を告げるベルがホームに響く  ....
夜道を散歩しながら
人知れぬ夢を呟くと 
胸に溢れる想いは
目の前の坂道を昇り 
仰いだ頭上には 
只 白い月が
雲間から地上の私を見ていた 

半年前 
オートバイに乗ったお爺さん ....
{ルビ濁=にご}った泡水が浅く流れるどぶ川に
汚れたぼろぞうきんが一枚 
くしゃっと丸まったまま{ルビ棄=す}てられていた 

ある時は
春の日が射す暖かい路上を 
恋人に会いにゆく青年の ....
雨の降る仕事帰りの夜道
傘を差して歩く僕は
年の瀬に冷たい廊下でうつ伏せたまま
亡くなっていたお{ルビ爺=じい}さんの家の前を通り過ぎる

玄関に残る
表札に刻まれたお爺さんの名前  ....
よく晴れた日の午後
逃げ場の無い闘いに疲れた僕は 
ベッドに寝転がり
重い日常に汚れた翼を休めていた

ラジオのスイッチを入れると
君の{ルビ唄声=うたごえ}が流れていた 

窓の外に ....
真夜中の部屋で独り
耳を澄ますと聞こえて来るピアノの音
沈黙の闇に 響く「雨だれ」

( ショパンの透き通った指は今夜も
( 鍵盤の上で音を{ルビ紡=つむ}いでいる

写真立ての中で肩を ....
真夜中の浜辺に独り立つ
君の{ルビ傍=かたわ}らに透明な姿で{ルビ佇=たたず}む 詩 は
耳を澄ましている

繰り返される波の上から歩いて来る
夜明けの足音

君の胸から{ルビ拭=ぬぐ} ....
Yousukeさんの服部 剛さんおすすめリスト(7)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
始発列車- 服部 剛未詩・独白13*06-4-4
シリウスの光る夜- 服部 剛自由詩11*06-3-11
ぼろぞうきんの春- 服部 剛自由詩18*06-3-3
光の滲む雨の夜道を- 服部 剛自由詩18*06-2-24
傷ついた翼で- 服部 剛自由詩10*06-2-16
夜想(第二稿)_- 服部 剛自由詩11*06-2-6
明け方の碧- 服部 剛自由詩13*06-1-7

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