すべてのおすすめ
昨日ひろったきれいな小石
たとえば人は
磨かれる前の宝石の原石のようだということ
未完成なままの美しさを知っているから
そっとしておいてください
そんな 淋しさ
....
ずっと前は黒電話
人指し指をひっかけて
ダイアルがもどる間に
会いたい人の
番号を呟いていた
プッシュフォン
短縮登録ができてから
電話番号を覚えなくなって
今は
....
夕暮れにはまだ早い
君は窓辺にもたれながら
溶けてゆく陽射しに
目を細めている
僕はこたつに入ったまま
足元でまるくなる
猫とつま先で会話をする
「オリンピックも終わった ....
少し鼻をあげながら
彼女はハミングする
大きく手を振って
人の目なんか気にしない
悲しいことがあっても
彼女の歩く通りには花屋さんがあって
小さな花がところせましと咲いてい ....
ブランコから見た空は海に似ていた
悲しみに揺れるように
君はぎりぎりの角度で空を見る
浮かべた涙をこぼさぬように
近づく地面を遠ざけて
君はぎりぎりの角度で
懸命にこら ....
「透明」という色を知っている
真実は色を重ねるほどに
現実へと置き換えられてゆくから
いつまでも透明は透明のまま
誰の目にも映らない
だから雨が降る日には
跳びまわ ....
まるで葉っぱの落ちた木のようだ
風が吹くたびに
小さな声をあげている
ゆっくりと息を吐きながら
それでも溜め込んだ本音を飲み込んで
掲げた両手の先
どこまでも遠い空を眺めれば
....
生まれたときから
親指が無かったのだと
その子はいつも
両手をポケットに入れて
両手を使わなければならないから
雨が降る日は嫌いだと
右利きなのに
五本そろった左手で書く文字 ....
書かれた言葉と
書かれなかった言葉を挟んで
あの日記は閉じました
喜びが込み上げてくる日には
書かれた言葉が読めるのですが
悲しみが込み上げてくる日には
書かれなかった言葉が読 ....
家の近くで見たのは野良犬の親子
道路をわたるときは子犬のほうが先で
親犬はあとからついてゆく
一見普通の光景だけど
親犬は眼が見えない
だから子犬が前を歩き
親犬はその匂いを頼 ....
貧しい人の手は、いつも淋しいかたちをしていて
貧しい人の目は、いつも悲しい言葉を探している
(本当は、とても綺麗な詩が書きたいのです)
雪降る夜の寒さは、震える指を動かして
して、そして
....
アライグマに石鹸をわたしたら
小さな手をちょこちょこ動かして
とても楽しそうにしていた
まるまるとした石鹸は
みるみるうちに小さくなり
無数の泡だけを残して
アライグマの視 ....
真夜中眠れずかぞえた羊
眠ろうとするほどに増えてゆく
小さな柵をとびこえて
いつしかそれは羊ではなく
羊のようなものになって
やたらと足が長かったり
やたらと顔が大きかったり
すっかり見とれて ....
いつからか夢見ることを遠ざけたのは
それが大人になることだと教えられたからではなく
身近な現実を見つめれば
それが大人になることだったからでした
忘れ去られた銀河ステーション
....
空は何も忘れはしない
それは始めから何も覚えていないからだと
古い本に書いてあった
それは確かに詩人の言葉だと
子供ながらに納得したことは
はっきりと覚えている
冬空にカイ ....
赤と緑が
美しく共存する
いつからかクリスマスのシンボルとして
家々に飾られるようになった
花を守るために
葉が変化したという
赤い花苞
この世界には
今も ....
今日も遠い北のはずれでは
北風がつくられている
私は妹の手をとって歩きながら
「ごらん、あれが北風だよ」と
すり切れそうな雲の端を指さして言う
すると雲は
少しずつ形を変えなが ....
花の名前を知らない僕は
きれいな花を見つけても
誰にも教えてあげられない
植物図鑑を一冊買って
花の名前を覚えよう
いつ芽が出て
いつ花が咲くのか覚えよう
小さな庭に種をまい ....
多くの星が
自ら輝くことができないように
僕らもまた
自ら輝くことはむずかしい
たとえば僕がそうであるように
一つとして同じものなどない
そんな僕ら星のかけらたち
一つの存在が放 ....
ある現実に落とされた
一粒の出来事は
どんなに大きな波紋を描こうとも
より大きな現実に吸収されてゆく
私たちはそれを
受け止めたり
跳ね除けたりしながら
けれど
その波紋の消えゆく ....
「引越しするので手伝ってください」
久しぶりの幼馴染からのメールを見て
行くとあらかた荷物は片付いていたのに
ただ
アルバムや卒業文集が
ダンボールのわきに積み上げられていて
それが手 ....
芝生を背にして仰向けになれば
溜息をこぼしても落ちることのない
空がある
青を吸い込んだ瞳を閉じると
そこには海が広がっていた
青空の公園で
僕は一羽のカモメだった
....
つんと鼻を刺激する
空気の冷たさに驚いた朝
慌てて出したコートには
お気に入りのマフラーが巻かれていて
それは大袈裟かもしれないと
くるりほどけば
ひらり舞い落ちた
枯葉が一枚
....
泣くために悲しんだことがある
砂浜にかじりつくようにくいこんでいた白い貝は
まるで生きているみたいに艶やかな色をしていたから
指先で撫でたら深くもぐりこんで逃げてしまうような気がした
....
風が言葉をさらっていった
ただ黙って
夕暮れを見送る
綺麗なものへの憧れは尽きることなく
たとえばそう
悲しみの結晶が透明であるならば
過去も無かったことにできるだろうか
....
すらすらペンを走らせれば
紙の上にハトを飛ばすこともできる
あるときは灼熱の雪を降らせ
またあるときは凍りついた心も融かす
僕はマジシャン
人の気持ちも思いのままに
不思議と動かす言葉を使う
....
なんだかとっても寒いので
財布の中をのぞいたら
やっぱり寒い
ころりと100円玉
音をたてることもなく居て
街角の自動販売機
120円という表示が淋しい
一昔前なら缶コーヒー ....
(その2 自転車屋のおじさん)
おじさんの手にはすっかり油がしみ込んでいて、指紋もわからないくらいになっている。
それが職人の手だと自慢していたけれど、あんまりじろじろ見ていると少し恥 ....
(その1 時計屋のおじさん)
裏通りにある時計屋のおじさんは、まるで手品師みたいに器用だ。
おじさんの大きな手からは想像もつかないような、ちいさな部品をちょこちょこといじると、さっきま ....
大切なものを失くしました
良く晴れた日のことです
まだ記憶だけが鮮明に残っていて
もしかしたら
あなたのことかもしれません
それはそれで
とてもいい歌だと思いました
....
千波 一也さんのベンジャミンさんおすすめリスト
(118)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
もしかしたら嘘かもしれない
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
06-3-11
会いたい人に電話する
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
06-3-3
まどろみ
-
ベンジャ ...
自由詩
3*
06-3-1
ハミングする
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
06-2-18
ブランコから見た空は海に似ていた
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
06-2-15
「透明」という色
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
06-2-13
背伸びする
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
06-2-11
手のひらの大きさ
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
06-2-8
栞(しおり)
-
ベンジャ ...
自由詩
12*
06-2-7
野良犬から見た世界
-
ベンジャ ...
自由詩
8*
06-2-1
貧しい人
-
ベンジャ ...
自由詩
4*
06-1-25
アライグマと石鹸
-
ベンジャ ...
自由詩
11*
06-1-14
真夜中の羊
-
ベンジャ ...
自由詩
4*
06-1-14
流星群の夜
-
ベンジャ ...
自由詩
11*
06-1-2
カイト
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
06-1-1
ポインセチア
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
05-12-18
北風の工場
-
ベンジャ ...
自由詩
14*
05-12-16
笑顔の種
-
ベンジャ ...
自由詩
9*
05-12-3
星のかけら
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
05-12-2
波紋
-
ベンジャ ...
自由詩
12*
05-11-27
この街を去ってゆく君へ
-
ベンジャ ...
自由詩
9*
05-11-24
青空の公園で、僕は一羽のカモメだった
-
ベンジャ ...
自由詩
11*
05-11-6
それが冬のはじまりでした
-
ベンジャ ...
自由詩
9*
05-10-25
砂浜で拾った貝殻はどこまでも沈んでいった
-
ベンジャ ...
自由詩
11+*
05-10-24
悲しみに別れを告げるとき
-
ベンジャ ...
自由詩
12*
05-10-13
マジシャンの憂鬱
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
05-10-12
100円玉の温もり
-
ベンジャ ...
自由詩
15*
05-10-7
シリーズ「おじさんと僕」2
-
ベンジャ ...
自由詩
9*
05-10-6
シリーズ「おじさんと僕」1
-
ベンジャ ...
自由詩
9*
05-10-4
僕は今、そんな歌をうたう
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
05-10-3
1
2
3
4
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