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{引用=菜の花は
きいろとみどりで
構成されているけれど
ぼくたちは、
どうなんだ
いつか、
しろい壁で
あかい屋根の
一軒家を建てよう
色が剥げたら ....
青い目の太っちょネコは、ちいさくまあるい眠りからさめると、
弓をひくような格好で伸びをしたまま三日月になって、
別れをつげることなく真夜中の空へのぼった。
ぼくは満足 ....
近づいては離れて
寄り添ってははじかれて
手をつないでは振りほどいて
見つめては目をそらす
離れては近づいて
はじいては寄り添って
手を振りほどいてはつないで
目をそら ....
あの人へ
何が、残せますか
つぶやいた言葉には、行方がありますか
いつも夏には
揺らめいて、薄れていくものが
近くにも、遠くにも
留めて
確かにそこに居たはずの
陽炎の ....
戯れ言は、
繰り返された。
繰り言は、
聴き飽きた。
咀嚼なき言葉を吐くな。
飲み込んで、
味わうがいい。
それがお前の、
侮蔑だ。
....
欲しがるように風が吹くのを
あなたはとても嫌がりました
ありふれた人に、姿勢は鋼鉄で空は近くて
順番待ちの列には顔色ひとつ変えずに
参加することに迷わない
そんな
落ちていかない夜の一枚の ....
君の為に書こう。
君に向けて書こう。
そう決めて、
昨日一日、
ずっと考えたけれど、
何も書けなかった。
だから、
平凡だけど、
こう書くよ。
お ....
君の目の奥に
ひっそりと存在する
暗い淵に
気づいてしまうことから逃げた
ごめんね
ポーカーフェイスに甘えて
僕はどうしようもないくらい、コドモだった
君がいなくなってから
....
頭の中の糸が絡まって
記憶が擦れてゆく
あの日の笑顔さえ消えてしまう
このままでは――
動けなくなった体でも
瞳に映る景色だけは鮮明で
キミの涙が零れるのが見える
僕は指を動かす事さ ....
去りゆく季節は せつない
迎える季節は 夢みがち
それぞれに抱えている 命の灯火
たとえ それが消えてゆくうつらなものでも
たとえ それが意味のない土に帰るものでも
それは ....
ガラパゴスで恋をして、
ガラパゴスで眠りたい。
わたし、
ひとになれません。
きっとね、
泣かないで
その言葉を紡ぎ出す唇に恋をする
泣かないで
夢なら覚めるどんなことでも
泣かないで
その雫より綺麗なモノを僕は、知らない
『泣かないで、さようなら』
永遠 ....
地底人さんの朝は早い。
日の昇る前から働いて、
せっせせっせと働いて、
日が暮れたって、
月が笑ったって、
まだ働く。
地底人さんは穴を掘る。
くる日もく ....
あてのない旅に出よう
何処に行くのかも
何をするのかも
誰と行くのかも
いつ行くのかも
いつ帰るのかも
なにも決めない
なにも決まらない
なんのあてもない旅に出よう
なに ....
そんなに僕が
何を考えているのか知りたければ
僕の頭を割って
その目で確かめてみるといい
そんなに僕が
何を想っているのか知りたければ
僕の胸を切り裂いて
その手で確かめてみるといい ....
嘘つきな僕の口では
伝えたい事を
何一つ 伝えられないから
正直な僕のこの手で
真実を綴る事にするよ
だからどうか
その全てを
目に焼き付けて
例え
僕の ....
ねえ、きみ
そのみせにいこうよ
きみのひみつのみせに
ねえ、きみ
そのみせではなそうよ
いろんなことを
みっつのころ
たけざおにたこいとつけて
ぱんのみみをえさに
ちんまりと ....
―前略、お元気ですか。
突然ですが、私はあなたのことが好きです。大好きです。
メールや携帯電話が普及した今、あえてペンと紙を手にしました。なぜかはわかりません。なぜかはわかりませんが、私はこう ....
なつのそら
そろそろ
そろそろこうたいなのだけど
まだ空は青く、たかく、しろいくもがはえている
あついくうき
すずむしのなきごえ
バッタがとぶ
ざるのうえにはミニト ....
ハッピーエンドじゃない映画を見ちまった
そんな気分わかるかな
見上げた青い空に白い雲
涼やかな風の中で
僕は一人
ほんのかるい暇つぶしのはずだったのに
....
「薬を飲み忘れたわ!帰らないと」
マンボウを見に
水族館へ行こうと
誘ったのは彼女の方だったのに
家を出てすぐ言った
「どこが悪いの?」
「知らないわ、生まれてからずっと飲んで ....
時が人を変えるのではない
その人がその時をどう生きたかによる
自分に責任を
今のあなたはあなたに作られている
炎天下の中
デパートの屋上で
僕はピエロになって働いている
何度も同じことを繰り返すだけの
つまらない芸でも子供たちは
大きな笑いと拍手をくれる
夕方になり人気が減ると
急に悲し ....
空気と水とこの大地
それから少しの食料と
君さえいれば
生きていける
いのちあるものを
司る月の満ち欠け
この8の月は
月が二度満ちる
その不可思議に
神聖な月は
青い月と聞く
頑なな心の闇夜も照らし出す ....
あのこは
たっている
たちつづけて
いる
あめのなか
ひとしずく
ひとしずく
それは
あめなのか
なみだ
なのか
だれも
しるよしも
ない
....
乾いた夜のすきまに
星がおちるのをみた
みんな大好きだ
みんなみんな大好きだ
いまここに
心からの感謝を贈りたい
ある日、仕事を終えて
更衣室のロッカーを開くと
取り付けの小さい鏡の下に
お守りのようにぶらさげていた
5センチのくまのプーさんが姿を消していた
プーさんは
うまくいった日も
へまを ....
見上げている空にも
今ごろ風が吹いているのでしょうか
雲がゆっくりと
あるいは形を変えて
あのやがては消えていくものたちのように
わたしももっと強くなりたい
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