すべてのおすすめ
ヒダリノマナコ
ごろごろ
太鼓が鳴るよ
ごろごろ
猫が鳴るよ
のどが
渇くよ
水が
乾くよ
洗濯物が
ひらひら
飛んでゆくよ
蝶々が
空高く
....
放射冷却の夜に
ひとりでいると
冷えすぎて困る
ふたりでいると
せますぎて困る
自転車操業の夜
瓦版を刷ったと
横町のご隠居が
素っ頓狂な声を
壁に貼っている
下手な声も貼る
....
緑色した大地の果てに住む
保護色の蛙たちが
人でなしにつかまって
赤い入れ墨で
標識番号を付けられて
無線チップを埋め込まれ
開け放たれた大地に
放射冷却の暮色を迎え
子煩悩の ....
完爾として
泡沫候補が
手を振る
ドライバーが急ハンドルを切って
横町に突進していく
地方選挙の時代だと
大見得を切る
大ボス小ボスに
一泡吹かせてやりたいと
立候補した叔父さんは
....
キーポイント
キーポイント
ブレーキを掛けながら
クルマが喚く
チョークで
殴り書きしながら
先生が喚く
試験にでるよと
言われても
試験を受けられないのだから
カンケイないじ ....
シュールなショールを引き裂いて
モンゴリアンが走る
エイゴリアンが続くと
猫が鳴く。
これでおまんまが食えると思ったら
涙が出てきた。
夢でよかったと
思ったら
ほんとに涙 ....
5分前に着いた
時の記念日の声に
桜草の声に
促されて売り出された
音の出るテレビと
絵の出る絵本を追い払い
螺旋階段のある駅ビルに
不思議な国の子供たちを
氷詰めにして持って来た ....
お天気がよいから
ぼんやりと
窓の外を眺めていたら
あれが伊豆の大島だと
若い人が
得意そうに教えてくれた。
太ったサツマイモを
横に置いた
そんなのっぺりした形が
遠く ....
金属バットの表面でなぞる
裏面でスライダーを弾く音
船端で聞いたどよめきは
確かなものであったのだが
護送船団が沈められて以来
運ぶものが居なくなり
声を聞くとも ....
世界のかたちを考える。
世界のシクミをかんがえて
ネコノココネコノコノコと
カタクチイワシを追い求め
ワレタイロシタガケップチ
月夜の仔猫は行き止まる。
打ち砕け!
壊れた色 ....
99番目の総括
死んでしまった仔猫を生き返らす計画
今ならねと
再生可能を信じる人たちも現れて
体細胞クローンを夢見て
生まれた赤ん坊ネコの黒い目が
じっと見つめるど真ん中
命中した猫い ....
ツーツー・トン
トントン・ツー
っーっーとん
とんとんとん
おいしそうな音がする
わくわくっっっ
トンネルをくぐると
其処は、
恐ろしい地獄だった
っっっ、と舌を出し ....
囓りかけのパンを
置き忘れて
二人は立ち上がった
九官鳥の羽根を身に纏い
新月の夜は巡るのだと
顔だけを空に向けて
歩く
垂れた電線を潜り
蛇が
鎌鼬のような顔をして
平行 ....
水鉄砲を空に放つ
夏
リアス式海岸を
走る
気動車
機関車
各駅停車の
車両達
それぞれが
異なる
ジョイントの音を立てて
走る
水鉄砲を携えて
....
技術
技術外れの季節に
議会を解散したかったのだが
主権者の端くれとしては
クレマチスが良かったわ
と言ってくれるまで
くるり棒を振り回す
麦秋の徒に
陰口
影女
悪巧み
古狸 ....
空中章魚を
紐で吊して干して炙る
焦げる匂いにねこといぬ
鳶がアブラゲ落っことし
財布の紐をつまんでた
春になると
誰も来なくなるから
凧を揚げてみるのだ
階段を降りてくるものは
オバケだけではなくて
できたてのおやつを目当てに
降りてくる人類の営みのような気もして
それが文化だと
中学生の時
教頭先生から聞きました。
....
UFOが見たい
ハムサンドが好き
聖蹟桜ヶ丘が
すねる
電車の台車は
運転する毎に
ゴトゴト音を立てる
あきれたボーイズの
ように
ふざけたい電車は
ゴトンゴト ....
アタマniくるアタマniくると言いながら頭突き
ネコ頭巾ちゃんが
黒頭巾に見える日は
トサカに来ているから
ヘッドハンターをぶん殴る
風来坊の
銀さんは
掏摸だったというのに
人切 ....
150億円の借金を抱えて
華厳の滝に飛び込んだら
借金が重すぎて
華厳の滝の
滝壺の
水が溢れて
日干しになった
カワガラス
クイナ
セントロニクスのプリンター
関係ないじゃんとい ....
音のでないパソコンに
たぶらかされて10分
バスはなにも告げずに出ていった
足のない靴下が、履いてゆく脚がない
道路には穴が開いている
雨が降っている
水が貯まって、光っている
足跡を忍 ....
質量分析器に入れたんですよね
猫を見張りにしたんですよね
ネズミの餌を与えたんですよね
着た切り雀に貸し与えたんですよね
DNA分析の結果が分かるまでは
なにもしないで居たのですか ....
もがく
もがく
藻のないところで藻掻く
あたまの中に塩水が入って
考えることが辛くなり
すべては
旧態依然としたまま
塩漬けになり
保存されている
白く乾いた塩田を眺めて
....
古典的な
駄洒落を一発
ぶちかまし
挨拶代わりにしている男
何年ぶりかで会った男
洒落た男のつもりで居るのか
駄洒落た姿を見せつけて
脚の曲がった椅子に腰掛けて
背筋を伸ばして
ボー ....
こどもは夢のおとなたち
絵皿の中で遊ぶ姿も
束の間のやすらぎ
緑の風がそよぎ
ミルク色の光を浴びて
こどもたちは目を覚 ....
羊羹にお茶ならいつでも良いです。
主人公の猿飛佐助は
そう言って次のページで
みたらし団子を頬張って
子供達を羨ましがらせ
ジャイアンツの選手も好いけれど
真田の忍者にな ....
2006/09/05
なにを書けば許されるのか
許されるわけもなし
なしじゃない、ない、だよ!
文語は駄目だよ、文語らしいのも
文語三十、二人菓 ....
先祖は、なにをしていたか分からない
落ち武者とも河原乞食とも言われている
本家の実さんは、強い侍の末裔の顔をして
武者人形の鎧を磨く
子供の頃、母に聞いたら
戦争でお寺が燃えたから、本当のと ....
一面菜の花
白い蝶
饒舌な暦に
紋黄蝶
ひらひらと青い空を飛んで行くよ
戦闘機の青い影
いつのまにやら日が暮れて
饒舌な街の囀り舌平目
マグロ列車のテールの光り
チラチラ ....
U字型磁石を持ち出して
道ばたの茶色の石を検査した
少しでも吸い付けば
磁鉄鉱のはずだから
沢山拾い集め
溶かせば鉄になるのだと
幼い経験と想像力が生み出した
手の中の黒い鉄の塊は小 ....
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