すべてのおすすめ
職場で苦手な○○さんに
さりげない手つきで
そっとコーヒーを出してみる
四方八方からお客に呼ばれ
慌てふためきそうな時に
地に足つけて
「一つずつ」をこなしてみる
こ ....
昨日のゴミ置き場で
幸せそうに日向ぼっこしていた
白い便器の蓋が
今日は無い
腰を痛めて十日間
介護の仕事を休んでいたら
先月の誕生会で
目尻の皺を下げていた
....
居酒屋で
ビール片手に酔っ払い
まっ赤な顔して
柿ピーの一つひとつを
座敷畳の隅に並べ
目尻の下がった
頼りない
顔をつくる
「 なんだか俺みたいだなぁ・・・ 」
....
都内の様々なカフェ・クラブ・ライブハウス等で「ポエトリーリ
ーディング」と呼ばれる詩の朗読が行われるようになってから、約
9年以上の月日が流れた。「ポエトリーリーディング」という名前
が日本に ....
一
今日は一月三日で正月休み最後の日なので、昼食に餅を食べた後、
毎年必ず初詣に行く寺へ出かけた。子供の頃からこの寺に連れて来
た両親とは今も共に住んでいるのだが、二十歳を過ぎた頃からこ ....
一
今、僕の手元には、「{ルビ思推=しゆう}」 落合朱美 という{ルビ凛=りん}とした縦書きの
文字が記された一冊の詩集が置かれている。朱色一色の表紙には、
白い輪郭で描かれた一輪の薔薇の ....
僕が現代詩フォーラムという詩のサイトと出逢い、自作の詩を載
せ始め様々な人の詩を読むようになってから三年の月日が過ぎた。
自分の詩作について言えばまだ課題はあるが、只、間違いなく言え
ること ....
休憩室の扉を開くと
左右の靴のつま先が
{ルビ逆=さか}さに置かれていた
ほんのささいなことで
誰かとすれ違ってしまいそうで
思わず僕は身をかがめ
左右の靴を手にとって ....
私は今、顔を猿のごとく真っ赤にして酔っ払っているのである。
なぜ酔っ払っているかって?
それには深い、深い、わけがあるのである。
女に振られたって?
そんなのは日常茶飯事朝飯前であ ....
照りつける夏の陽射しの下
墓石の群を横切る私の地面に頼りなく揺れる影
一瞬 頬に見えた{ルビ滴=しずく}は 涙なのか汗なのか
( {ルビ嘗=かつ}て 一途だった少年の恋は
( 夏の夜 ....
小雨の降る夜道を歩いていた。
ガラス張りの美容院の中で
シートに座る客の髪を切る女の
背中の肌が見える短いTシャツには
「 LOVE 」
という文字が書かれていた。
....
誰かと笑い転げる日々を過ごす私
仮面を一枚{ルビ捲=めく}れば
誰の手も触れ得ぬ「もう一人の私」がいる
あたりまえの幸福は
いつも手の届く場所にあり
浜辺へ下りる石段にぽつん ....
湯田は温泉街なので、道を歩いていると数人で腰を降ろし足浴で
きる場所が何ヶ所もあった。記念館に近付くにつれて、「中也ビー
ル」という暖簾の文字が風に揺られている店をいくつか見かけた。
中原 ....
君が帰った Cafeの 空席に
さっきまでノートに描いていた
空へと届く望遠鏡の幻がぼんやり浮かんでいる
別々に家路に着く
君の切なさも
僕の切なさも
この Cafe に置 ....
半年振りで姉は嫁ぎ先の富山から
5歳の{ルビ姪=めい}を連れて帰っていた
家族{ルビ揃=そろ}って
僕の出版記念すき焼パーティーをするので
今朝の出勤前母ちゃんに
「 今日は早めに ....
夜明け前の道を
自らの高鳴る鼓動を胸に秘め
歩いていく
川に架けられた橋をわたり
駅の改札を抜けて
無人の列車に乗り込む
腰掛けると
発車を告げるベルがホームに響く ....
誰から声をかけられるでもなく
彼は{ルビ日陰=ひかげ}を静かに歩む
足元に人知れずなびく草の囁きを聞きながら
上というわけでも
下というわけでもなく
{ルビ只=ただ} 彼は彼と ....
私は足場の固まった
真新しいベランダに立っている
腐りかけた古い木の板を{ルビ軋=きし}ませて立っていた時
私は世界の姿をありのままに{ルビ見渡=みわた}すことができなかった
今 ....
あのレストランの前を通り過ぎるといつも
寂しげな人影が窓の向こうに立っている
何年も前、飲み会を終えた夜
あなたはいつまでも電車を降りず
家路に着こうとしていた私は仕方なく
....
身に覚えのないことで
なぜか{ルビ矛先=ほこさき}はこちらに向いて
誰かの荷物を背負う夜
自らの影を路面に引きずりながら
へなへなと歩いていると
影に一つの石ころが浮かぶ
理不尽 ....
{ルビ濁=にご}った泡水が浅く流れるどぶ川に
汚れたぼろぞうきんが一枚
くしゃっと丸まったまま{ルビ棄=す}てられていた
ある時は
春の日が射す暖かい路上を
恋人に会いにゆく青年の ....
雨の降る仕事帰りの夜道
傘を差して歩く僕は
年の瀬に冷たい廊下でうつ伏せたまま
亡くなっていたお{ルビ爺=じい}さんの家の前を通り過ぎる
玄関に残る
表札に刻まれたお爺さんの名前 ....
私は今まで
気まぐれな風に吹かれるたびに
力なく道に倒れていた
だが、夢を追うということは
眼前に漂う暗雲を
光の剣で貫いて ....
よく晴れた日の午後
逃げ場の無い闘いに疲れた僕は
ベッドに寝転がり
重い日常に汚れた翼を休めていた
ラジオのスイッチを入れると
君の{ルビ唄声=うたごえ}が流れていた
窓の外に ....
オリオン座が西の空に瞬く午前三時
部屋の中で独りの男が
机を照らすランプの明かりの下
白紙にペンを走らせる音
時を忘れ
宛先の無い手紙を{ルビ綴=つづ}る深夜に
眠れる街の何処か ....
真夜中の部屋で独り
耳を澄ますと聞こえて来るピアノの音
沈黙の闇に 響く「雨だれ」
( ショパンの透き通った指は今夜も
( 鍵盤の上で音を{ルビ紡=つむ}いでいる
写真立ての中で肩を ....
二月の冷たい雨が降る午後
近所の喫茶店でお茶を飲みに
愛読書を鞄に入れ ビニール傘を差し
家の門を出て川沿いの道を歩いた
川の流れる{ルビ辺=ほとり}の土に
一羽の{ルビ白鷺=しらさぎ ....
私が生まれるより前に
戦地に赴き病んで帰って来て間もなく
若い妻と二人の子供を残して世を去った
祖父の無念の想いがあった
私が生まれるより前に
借家の外に浮かぶ月を見上げて
寝息を立 ....
カレンダーを一枚めくり
二月の出かける日に ○ をつける
数秒瞳を閉じる間に過ぎてしまう
早足な{ルビ一月=ひとつき}の流れ
数日前話した八十過ぎの老婆の言葉
「 あんた三十歳? ....
夕暮れ
男は空を見ていた
世の{ルビ何処=どこ}にも{ルビ属=ぞく}さぬように
草原に独り立ちながら
{ルビ只=ただ} {ルビ暁=あかつき}色に染められた雲が
宵闇に流れて姿を消してゆく ....
かおるさんの服部 剛さんおすすめリスト
(55)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
日々の魔法
-
服部 剛
自由詩
2
08-2-23
「_無_」
-
服部 剛
自由詩
32*
07-11-6
福笑い
-
服部 剛
自由詩
7
07-9-2
■批評祭参加作品■_「_ロッカーズの星は今夜も瞬いている_」 ...
-
服部 剛
散文(批評 ...
6
07-1-8
■批評祭参加作品■_「_無言の遺書_」__
-
服部 剛
散文(批評 ...
5
07-1-7
詩人・一期一会_〜其の一・落合朱美詩集「思推」を読んで(上) ...
-
服部 剛
散文(批評 ...
11*
06-11-22
詩人・一期一会_〜序章・誰も知らない一本の大樹について_〜_
-
服部 剛
散文(批評 ...
19*
06-11-22
靴
-
服部 剛
自由詩
24*
06-8-31
新連載?はっとりんは今日もゆく〜その一〜
-
服部 剛
散文(批評 ...
12*
06-8-27
渇いた夏_
-
服部 剛
自由詩
26*
06-7-26
「汚れた足」
-
服部 剛
自由詩
21*
06-6-14
「自画像」
-
服部 剛
自由詩
12*
06-5-22
中原中也記念館に行った日_〜後編〜
-
服部 剛
散文(批評 ...
11*
06-5-15
黒猫の瞳
-
服部 剛
自由詩
14*
06-4-24
姉のまなざし_
-
服部 剛
自由詩
18*
06-4-7
始発列車
-
服部 剛
未詩・独白
13*
06-4-4
青年と老婆
-
服部 剛
自由詩
6*
06-3-18
桃色の風船
-
服部 剛
自由詩
7*
06-3-18
朧な太陽_〜空の色_♯2〜
-
服部 剛
自由詩
8*
06-3-18
六地蔵
-
服部 剛
自由詩
13*
06-3-15
ぼろぞうきんの春
-
服部 剛
自由詩
18*
06-3-3
光の滲む雨の夜道を
-
服部 剛
自由詩
18*
06-2-24
哀しみの夜に_〜僕を励ます十五年前の唄声〜
-
服部 剛
散文(批評 ...
10*
06-2-17
傷ついた翼で
-
服部 剛
自由詩
10*
06-2-16
ある真夜中のポエジー(第二稿)_
-
服部 剛
自由詩
10*
06-2-12
夜想(第二稿)_
-
服部 剛
自由詩
11*
06-2-6
雨に濡れた白鷺
-
服部 剛
自由詩
10*
06-2-1
私が生まれる前に
-
服部 剛
自由詩
18*
06-2-1
幼年期の情景_〜アルバムの中に〜
-
服部 剛
自由詩
8*
06-1-31
夜風の唄
-
服部 剛
自由詩
8*
06-1-25
1
2
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