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みてみたい
星の誕生する瞬間を
流動する熱い肌
なめらかですべやかな肌
それでも
笑えるしあわせ不仕合せ
今晩のおかずは何?
魚の視界
鳥の羽ばたき
貝の呼吸
ひとりのつぶ ....
ひとしれず
くさかげのはいいろに
ある男女のすがたあり
わたくしと
しねる?
ああ
それがさいごの会話だった
涼やかな目
はいいろが 濃くなる
しなやかでとげとげしい ....
魚になった
私の名を
呼んで下さい
{ルビ愛=かな}しみの風に 微笑みながら
道の空を泳ぐ
白い時に影を落しました
雲に溺れた{ルビ暁月夜=あかときづくよ}
{ルビ白露=しら ....
「 雷 浴 」
あめは
ふっている が
あつ すぎて
やけに
かわきやがる
かみなり
を よぼうか
かみなり
を あびたい
....
私の
家の裏には
杉林があって
その向こうには
すこしばかりの空があって
夏になれば
蝉時雨が満面に鳴り響いているのです
しばらくそれを
みつめていると蝉の声が深く
静かに命を説いて ....
オニヤンマは、
空の道をもっていて
すうっと、
夏の光の騒がしいすき間を
無邪気な笑みで通りぬけていく。
この間、
{ルビ明日=あした}の出来事を
うすく
ニンマリ
なんて笑うの ....
どちらから
わたしの見ている世界は一つではないらしい
多次元的(あくまでも「的」)に
連なった酔った琴線
縁側の夜で
わらう猫
どちらから
白の黒さから
歪んだ笑み
しか ....
{ルビ理由=ワケ}もなく泣いた 空の{ルビ下=モト}
見あげればとどかない青い空
手をのばしせつなさ鮮やかに弾けた
絶望の声 咲く花
切望の音 行く風
流れる時をつなぎとめていたい
螺 ....
ああ、旅をしているんだな。
揺れるクレマチスの青い花。
ああ、ひとりでいるんだな。
夏が、終るとするにおいが、
今日はしているのだけれど、
どうしてなんだろう。はて、
どこへ行こうとしてい ....
お早うございます
お早うございます
朝の空気は、
ひとしきり
健やかである
しかしこんなに曇った
朝はどこか
薄闇色の逃避行
それでも朝は
お早うございます
あいさつ、をす ....
夏の幻に消えいりそうな呼吸音
いますこし
いますこし失うものは
命のみほかはぜんぶ
あげる
あげる過去の熱
無重力する
肺をこげつかせる
ゆううつな吐露
だすあてのない
手紙机 ....
思いがけず
可笑しさがこみあげて
くるが
すぐに冷め
可能性の欠落を夢みる鋭さ
鮮やかな月に照らされて
{ルビ青灰色=せいかいしょく}の肌は
淡く
光合成を告白するが
しおりは空 ....
鬼灯が耳をそばだてている
あなたの声をききたくて
夜な夜なおもいつのらせて
あかくあかく重く秘めて
口にふくむ
いつのことだったか
おーきな木に寄りそって
声もなく泣いたのは
知ることのできた空は
果てを知らずに膨らむ奥行
しっとり流し目をすると
逃げ迷う合せ鏡の黒髪
時が来れば尽きる
....
渇く渇く渇く潤う
行き止りのない道を
いつまでも
忘れていることがあるにせよ
それは帰れない{ルビ道程=みちのり}であって
忘れていることなど何もないのだ
あどけないうすい影は
....
己を知るは己のみ
知らぬ己は白目むき
嘲る己に己嘲り
( そんっな事だけぇ人間は ! )
( こんっなモノだけぇニンゲンは ! )
誰は誰でも人は人
人は人だけぇ人 ....
恋人よ
その安らかな寝息をまもれるのか
わたしは
同じ所に{ルビ止=とど}まっていられない
飽和した
硬質な怠惰の
夏の深奥に
ワイシャツが青く干されていて
ノイズの走るレコードが ....
カツン
病院の夜
廊下に映る非常灯
漂う薬品のにおいに
鈍く刺激される静寂
今夜は無風
女はそういったことを言ったと思う
喫煙所の密室(いまどき室内なんて珍しい)
いつからここにい ....
チョコレート
チョコレートの包みを
あけたのは
退屈なカエルが
土の中から這い出て
鳴いたから
スカーフ
ほめたら{ルビ白髪=しらが}まじりの
老婆がくれた
....
雨ですねぇ
雨ですねぇ
夜中にふる雨は
なぜか
さわがしくてしずか
布団の中で
ほくほくときいているのに
冬の雨は
身にしみて
つめたあい音がす
る
ぽと ほと と ....
(〜イキル事など オシマイダ〜)
(〜イキル事など オシマイダ〜)
己の{ルビ深淵=しんえん}に 浮かぶ銀河は次元の彼方
独りのものには
花火の音で事たりる
....
ボク
ボクは、僕といわない。
それは、シモベとよむから。
一羽の蝶が飛んでるよ
あなたとわたし
わたしは、あなたから生れた。
そして、母も父も
わたしにはいない ....
( The result to the affirmation which is not allowed )
碧落の空に
にじむ 朱き星
凛々と
白虹 纏う
....
夏の情熱の裏側に
すらっと伸びた少年少女の
腕がつかみそこねた{ルビ目差=まなざし}を
冷たく崩れてゆく陽炎
囚われた脈動は
透けていく意識となって
{ルビ中性花=ちゅうせいか}の宙吊 ....
ほほ、
雨上りの風が、
ほほをなぜてゆく
にわか雨の詩人は、
詩を吐いてまっかっか
死んじゃった
時は八月六日、
つるをのばしたつぼみの花は
夜空のかすみをうらめしげ
ええ、こと ....
雨
傘をたたく
音
しめってゆく
ゆく
ひとり
傘の下
の体温
しめってゆく
ゆく
鼻歌
とおる とおってとおる
ハイヒール
しめりながら高く
雨と合わさり
駅
の改札 ....
いずれ姿を消す
だろう月光
光を失った者の記憶には残ら、ず
されどその引力は
植物の{ルビ枝葉=しよう}に
昆虫の触角に
魚の尾びれに
爬虫類の肺に
鳥の翼に
哺乳類の脳に
空の風 ....
そっと
なぞる
なぞ る
影
つみかさなった
夕べの
夕日の
赤
重さの
重みの
重なり
心の
芯の
息
構築されてゆく
{ルビ恋恋 ....
雨・・
と、今日の世界を書き記す。
ここからどこへ
行くというのか。
どこへ?
決まっているじゃないか
そこへ。
そこ?
そうそこ。
ここ?
そうここ。
どこなんだここ。
....
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