すべてのおすすめ
季節は
数式みたいで
夏から戦争を引けば 秋だ
傷痍軍人は退場を
嫌って
冷や冷やしている
彼らは
草むらを
不眠不休で
コオロギを集め
どぶに捨てた
月曜の晩
フェリーに ....
文は夏でした
震えるという単語や
冷たい風の感覚を
いくら読んでも
文は夏でした
そのぎっしり
詰まった形から
ツンとする草いきれや
朦朧とした熱を
脳は錯覚するのでした
発育を待 ....
蟲たちが
騒いで
しじまが
顔をひっこめた
またね、と
耳がいって
僕はカメレオンになる
排ガスを撒き散らし
うなる車尻目に
爆走
縦横に街を
切り裂く
チャリ
信号免許
萎縮した力を
軽蔑し俺は
ナンバーガール
聞きながら
街からも
道からも
落ちている
言葉 ....
眠らない
体躯は
箪笥です
娘が
みそ
満州
宇治金時
ごみ袋
蛇口
満州
てんでばらばらに
単語を言うから
ピリッとして
話しかけるな
がたがたするぞ
脅したら
もう ....
笹を食べ飽きた
パンダのよう
腹を出して
倦んで少し照れくさいな
毛むくじゃら
涙でしっとり
湿ってても
抱きつきたい
そっちは汗ばんで
温かいんだね
タオルで巻いた氷を
二人の ....
薄闇の映画館の中
鴨川のことを思っていた
土手にしがみつこうとする亀
にぶいオオサンショウウオ
蚊のような蛍
ヒトは思い入れる
かくいう私も
彼らを出汁に
女を口説いたり
狩猟の真似 ....
俺とお前は同じ黄色で
できたら
緑色に生まれたかった
と言ったのは
ギター片手に歌う兄さん
そうだね
俺はからだぢゅう毛に覆われて
いてもよかった
そして日長毛繕いをして
過ごして
....
あなたは俺が生まれ育った場所を知らず
まるで外国のように感じている
だから楽園のような場所だと言うと
そんな所は無いと明るい声で言う
吹けば飛びそうな二人
町の手前で
恋をしている
お客 ....